国際情報

中国人が買い占めに走る「伽羅」に日本の仏教界が困っている

いつ崩壊するか分からないと囁かれる中国バブル。それだけに中国の富裕層は、虎視眈々と私有財産を増やそうと買い占めを行っているわけだが、ゴールドや海外の土地といった高価なものから、おむつや粉ミルクといった日用品まで、自分たちが得するものであれば、とことん手を伸ばす姿勢は節操がないというかすごいというか…。

中国では土地の私有を認めておらず、土地の社会主義公有制を実施している背景がある。それだけに私有財産を増やせるものであれば、何にでも飛びつく習性があるのだ。そんな彼らが今ひそかに買い占めているものが、『伽羅』である。

伽羅とは、ベトナムを主とした東南アジアで採れる香木の一つで、日本でも高級なお線香の原料として重宝されている品物。その匂いは、“神が創った香り”とまで言われ、数年前にワシントン条約の2種に指定され、許可がないと輸出入ができないほど。もちろん、それに伴い価格も高騰し、20年前には10gで1万円だったものが、現在では、1gで2万円前後に変動してしまっている。採出も難しくなる一方で、さながらその価値はゴールドのように扱われているのだ。

今後も価格が上昇することが期待されるため、中国人が私有財産として目をつけはじめたわけだが、この状況に困っているのが日本の仏教界だという。

「伽羅は、格式の高い寺社で使われる線香の原料になります。ですが、その伽羅が中国人の買い占めに遭い、とにかく手に入らない。手に入ったとしても価格が急騰していて、非常にコストがかかる。お線香だったら何でもいいじゃないかと言われるかもしれませんが、お寺にも格付けがあるので、そういうわけにもいかない」(寺社関係者)

実際、日本の寺社界隈では、「中国人の伽羅買占めを何とかしろ」という戒厳令が敷かれているほどだとか。

「そもそも中国は道教の国です。ロウソクや線香を使いますが、その質は重要視していない。むしろ、祭壇に「焚紙炉」(ふんしろ、紙の焼却炉)があり大量の紙銭を燃やすことこそ意義がある。加えて、中国は大規模な廃仏毀釈を繰り返している歴史があり仏教への理解度は低い。伽羅を宗教的な理由ではなく、私有財産目的で買い占めているのは、仏僧としてやりきれないです」(前出・寺社関係者)

紙銭を焼くことで、あの世に送金し、現世の罪を軽くする…そんな意味を含むこの行いは、まさしく“地獄の沙汰も金次第”という中国人の考え方そのものだという。現世でも、あの世でもお金が第一。中国人にとっては、信じるものは金だけということなのだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
M-1での復帰は見送りとなった松本(時事通信フォト)
《松本人志が出演見送りのM-1》今年の審査員は“中堅芸人”大量増へ 初選出された「注目の2人」
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン