7月27日、俳優・市村正親(65才)が胃がんであることを公表。出演中のミュージカル『ミス・サイゴン』を休演し、治療に専念する。
市村は、6月下旬に体調不良を訴え、急性胃炎と診断されて入院。その後の検査で胃に腫瘍が発見され、病理検査の結果、公表前日の7月26日にがんと判明したという。
胃がんは、日本人に最も多くみられるがんで、その割合は全がん患者の5分の1に上る。男性のほうがかかりやすく、女性の患者数の2倍、男女ともに50代以降に罹患率が高くなっている。
特に危険なのがスキルス性胃がんだ。がんが胃の表面に表れないまま広がっていくため、検査でも発見が難しく、見つかったときには、すでに手遅れになっているケースも少なくない。
逸見政孝さん(享年48)、萬田久子(56才)の事実婚の夫・佐々木力さん(享年60)、小林すすむさん(享年58)らが、スキルス性胃がんで命を落としている。
市村のがんのステージは“早期”で、2週間ほど入院し、腹腔鏡による手術を受けることを明かしているが、彼の病状について、医学博士の狭間研至氏はこう説明する。
「ごくごく初期であれば、お腹を切らない内視鏡手術で済みますが、市村さんは腹腔鏡手術ということですから、ステージ1、悪くてもステージ2という早期がんということになりますね。また2週間ほど入院するということですので、これは手術後、リンパ節に転移していないかなどの精密検査も行われると考えられます。もし転移が見つかれば、今度は開腹手術が必要となりますから、さらに過酷な闘病生活を迎えることになります」
さらに手術が無事に成功したとしても、再発の危険性は常につきまとう。
「ステージ1であれば、5年生存率は80~90%と高いですが、逆に言えば10~20%の人が再発などで亡くなっているんです。手術して5年経って、ようやく“もう大丈夫”となるわけですから、早期だからといって、決して油断してはいけない病気なんですよ」(前出・狭間氏)
※女性セブン2014年8月14日号