「またあの女だ!」──のりピー、押尾、ASKA被告と、有名人の事件ともなれば、いつもテレビのインタビューを受けるこの女性。どの現場でも同じように「わたし、彼の大ファンなんです」と語る彼女の姿に、テレビ局の“仕込み”ではないかという声が上がるのも無理はない。しかし、彼女は単なる有名人の追っかけなのだ。
「はっきり言います。私はガチです! ただ、好きな有名人を追っかけているだけなんです」と話すのは、秋本志保さん(39才)。ASKA保釈時に湾岸署に駆けつけたファンの一人としてニュース番組の取材を受けた人物だ。実は、以前にも酒井法子や押尾学の保釈時にも同様の取材を受けており、いろいろな有名人を追っかけまくっているというのだ。
小学校の時にチェッカーズの追っかけとなり、その後にCHAGE and ASKA のファンにもなったという秋本さん。それ以外にも歌舞伎役者もターゲットなのだという。
そんな秋本さんに大きな転機が訪れたのは、大学時代のこと。1990年代中盤、世の中がオウム事件で騒然としていた時期だった。
「オウム真理教の外報部長だった上祐史浩さん(51才、現『ひかりの輪』代表)にハマっちゃったんですよ。それで裁判も傍聴するようになって…。普通の上祐ファンはマスコミを警戒していたので、カメラを見つけると逃げたりしていたんですが、私はテレビに映っちゃったんです! ”ヤバい、裁判行くとテレビに映る!”って、もう興奮しちゃって…。
お母さんも、“生まれたからにはどんどん前に出て行きなさい”っていうタイプだったから、喜んでくれました。これをきっかけに、有名人の裁判に行きまくるようになったんです」(秋本さん)
そのうち、裁判やイベントでは、夜明け前から並んで、最前列を確保するとテレビにも映りやすく、レポーターからも話しかけられやすいこともわかってきたという秋本さん。
テレビ露出に味をしめた彼女の追っかけは、ますます加速。2006年に長野県・田中康夫知事(58才)が辞任した際には、ヤマンバメイクで“別れを惜しむファン”として涙ながらに取材に答え、2010年の南アフリカW杯には試合会場に一番乗りして複数のテレビ局のインタビューを受けた。
ハリウッド俳優の来日イベントもすべてチェックし、レッドカーペットの最前列を死守。登場したスターに写真をせがみ、これまでレディー・ガガ(28才)やマイケル・ジャクソン(享年50)など、200人以上の超有名人とのツーショット撮影に成功している。
「こんな私の生活に影響を受けたのか、気づけば今や、弟や妹も立派な有名人追っかけになっちゃって…。裁判の傍聴で3人がバッティングすることもザラです(笑い)」
凄まじすぎる“追っかけ”生活。日本だけでなく、時には海外まで行っちゃうわけだけど、「いったいどうやって生活してるの?」という素朴な疑問が浮かんでくる。
「それはもう、大変ですよ。交通費や宿泊代など、追っかけ費用は月30万円、年間400万円ほどにもなるんです。でも私の場合、追っかけが忙しくて正社員にはなれなくて…。だから、派遣の仕事を掛け持ちして、それに加えて、『○○はこちら』とかいう看板持ちや、交通量調査のバイトをして稼いでいます。今住んでいるのは、家賃2万9000円の風呂なしアパートで、めちゃくちゃ切り詰めた生活してます」
そうまでしても、追っかけは絶対にやめられないという秋本さん。取材が終わるや、手帳で次の“追っかけ予定”を確認すると颯爽と去って行った──。
※女性セブン2014年8月14日号