東京ドーム4つ分という広大な敷地を持つ千葉市内のある総合病院の中に、入り口は常時施錠され、監視カメラが24時間作動し、入院患者の家族でさえも事前申請がなければ入れないという、ひときわ異様な隔離病棟がある。
コンクリート打ちっ放しのこの病棟の中には、現在、重度の薬物中毒患者30人弱が入院しており、彼らが過ごすわずか四畳半の個室は“外からの刺激を与えない”という理由で窓もなく、簡易ベッドにトイレが設置されているだけという、まるで牢獄のような部屋である。
今、こんな部屋で生活しているというのが、5月に覚せい剤所持で逮捕されたASKA被告(56才)だ。
「彼が入院して1か月近く経ちますが、入院患者同士で雑談できるスペースやテレビを備えた会議室など、みんなが集まる部屋に、一度も姿を現したことがないそうです。それもそのはずで、今、ASKAさんは入院患者の中でも特に“危険な状態”みたいですから…」
そう語るのは、ASKA被告と同じ病棟に入院する患者の妻・A子さんだ。彼女は夫から、ASKA被告の近況について聞かされていたのだ。
「あの病棟の各部屋は、外から鍵をかけられるようになっていて、看護師が数時間おきに施錠を確認するという徹底したセキュリティーです。部屋の中に監視カメラこそないものの、音声は24時間録音されているみたいですよ。症状が安定するまで患者は部屋の自由な出入りも認められておらず、ASKAさんはほとんど引きこもり状態だそうです。
そんな状況のなかで、ASKAさんは薬物更生プログラムを受けているんです。午前中はノート療法といって、クスリを使ったきっかけや反省文を書き、午後はタコ糸を結んでブレスレットなどを作ったり、刺繍をしたりする作業療法をしているそうです」(前出・A子さん)
彼女の夫は、ある夜、看護師に付き添われて、部屋を出て廊下を歩いているASKA被告を幾度か目撃したというが、それは異様な光景だったという。
「握りこぶしをつくりながら、グッと肩を怒らせて、全身が力みまくっていて、ブルブルと震えていたそうです。目はキッと一点を見つめていたり、突然うつろになったりしていて…。そんな状態で、下を向いて、呻き声を上げながら、ゆっくりと廊下を歩いていたんですって。完全に、覚せい剤の禁断症状が出ているみたいです…」(前出・A子さん)
隔離病棟の中で、こんなゾッとする姿を見せるASKA被告の存在は、同じ病棟の患者たちにも衝撃を与え、今や病棟内では彼の話題で持ちきりだという。
「“やたらと汗かいていた”とか“目が死んでた”とか、“すごい震えていた”とか、口々に話して、みんなで盛り上がっているみたいなんです。重度の薬物中毒患者の彼らから見ても、ASKAさんの行動は末期的なレベルの依存者特有のものだそうで“あそこまで来ると、あいつは絶対に覚せい剤をやめられない”っていうのが、入院患者みんなの共通認識だそうです…」(前出・A子さん)
※女性セブン2014年8月14日号