上海の食肉加工会社「上海福喜食品」が使用期限を過ぎた鶏肉を使ってチキンナゲットを作っていたことは、再び多くの日本人に衝撃を与えた。日本人は、喉元過ぎて熱さを忘れていたが、中国“毒食品”は枚挙に暇がない。
思い出すのは冷凍ギョーザに殺虫剤「メタミドホス」が混入され、日本人10人に健康被害が生じた2008年の毒ギョーザ事件だ。しかし、この一件以降も隣国では度重なる“毒食品”が世間を騒がせている。
例えば毒殺したネズミや猫の肉を羊の油や香辛料に漬け、羊肉と偽って安く販売する業者が相次いで摘発されている。昨年、北京で路上販売のシシカバブを食べて中毒症状となり、病院に運ばれた男性の血液から殺鼠剤の成分が検出され、北京市民に衝撃を与えた。男性が食べたシシカバブは、ネズミや猫の肉を使っていた可能性が高いという。
病死肉の横流しも横行している。昨年、上海市を流れる川に1万頭を超える豚の死骸が漂流したことがあった。
なぜ、中国の食品問題は繰り返されるのか。中国の食問題に詳しいジャーナリストの椎名玲さんは、中国人の「衛生意識の低さ」を指摘する。
「慢性的な水不足の中国では、昔から手や食材をよく洗う習慣がありません。彼らの考え方は“火を通せば何でも食べられる”というもの。生産過程でカビが生えようが、商品が地面に落ちようが全くお構いなしで、『使用期限』という概念がないんです」
※女性セブン2014年8月14日号