中国・北京市の街中を走る今年10月の北京国際マラソンのエントリーが始まったが、今年は警官や武装警察の厳重警戒下での開催となりそうだ。これは参加希望者に「立小便をした選手は失格」との異例の警告が突きつけられたからだ。
昨年の大会では、北京市中心部の伝統ある紫禁城の赤い壁にランナーがずらりと並び放尿している模様がインターネット上で公開され大きな話題を呼んだ。
これを見た中国政府当局者は「ランナーが立ち小便をした場所のなかには、党政府機関が集中する中南海の赤壁もあり、指導者を侮辱する行為であり、中国の恥」と激怒。今年は昨年、立ち小便があった場所に警官や武警隊員を配備し、立ち小便をしないように目を光らせることになった。
今年のエントリー申込書には、北京マラソン組織委員会名で「レースの途中にマナー違反行為(ところかまわず排尿、排便、ゴミのポイ捨てなど)を行なった者は失格とし、中国陸上競技協会から処罰を受ける」と明記されている。
この「処罰」がどのようなものなのかは、具体的には明記されていないが、立ち小便をすれば、ただちに「失格」と宣言されて、さらに、そのまま逃げるような行為をするなど、「悪質」と判断されれば、身柄を拘束されることもありそうだ。
というのも、今年は昨年の失敗から、仮設トイレの数を1300個から4300個に大幅に増やしたほか、公園などの公共のトイレも開放する予定だ。それでも立ち小便をするのは悪質というわけだ。
日本でも2011年1月に開催された神奈川県の湘南国際マラソンで、スタート前の実行委員長あいさつの際、多くのランナーが西湘バイパスの中央分離帯を越え立ち小便をしている写真がネット上で公開され、翌年の大会では「屋外での排泄行為(立ち小便等)は失格」と通告された。
それ以降、湘南国際マラソンでは仮設トイレを大幅に増やした。立ち小便で失格となったランナーは報告されていないが、中国のルール無視は国際的に知られており、今年の北京国際マラソンはどうなるのか、警察や武警動員の効果はあるのかどうか、注目が集まっている。