7月27日、胃がんが見つかり、出演中のミュージカル『ミス・サイゴン』を休演することを発表した市村正親(65才)。
振り返ると、2005年12月、24才の年の差を乗り越え、ゴールインした市村と篠原涼子(40才)。2008年5月には、待望の第一子となる長男が誕生する。このとき、市村は3か月間、産休を取って、篠原と一緒に母親学級に参加するなど献身的にサポート、もちろん出産にも立ち会っている。
59才にして初めて父親となった感動を彼はこう語っている。
「神様から天使を授かりました」
以来、それまでステーキや焼き肉など脂っぽいものを好み、夜の街へ繰り出せば、朝まで飲み歩くという超不摂生男だった市村の生活は一変する。
「仕事が終われば、“お疲れ!”と言葉を残し、真っ先に家に帰るようになりましたからね(笑い)。“家に帰る楽しみができた”なんて嬉しそうに話していました。
“子供のためにも長生きしなきゃ”と暴飲暴食やたばこもやめたんですから。
また“抱っこで腰や膝がつらいから”と言っては、トレーニングにも定期的に通うようになって、体作りにも励んでいました」(舞台関係者)
2012年2月には次男も誕生、市村の親バカぶりは増していく。
子供たちのためにと健康管理にさらに気を配り、それをバックアップしたのは、もちろん篠原だ。
「篠原さんはベランダ菜園で、なすやきゅうり、トマトを無農薬で作っています。そんな野菜がたっぷり詰められたヘルシーなお弁当を市村さんに持たせていました。
家でも主食は玄米、おかずも魚が中心で、ひじきや煮物、おひたしなどは冷蔵庫に常備して、バランスのいい食生活を取り入れていました」(篠原の知人)
実際、篠原はあるインタビューでこう語っている。
「不規則な食事や、弱っているときに身体にいたずらに負担をかけるような食事は、やっぱりダメですよね。食べ物って、本当に大事だと思う」
そんな夫婦だっただけに、今回の市村の胃がん発覚のショックははかり知れない。
がん発表前夜、つまりがんと判明した7月26日の夜、ふたりは自宅近くの馴染みのイタリアンレストランに姿を見せた。
「お子さんたちはいなくて、夫婦水入らずのお食事でしたよ。ワインで乾杯して、前菜からヒレステーキまでガッツリ召し上がっていて。ふたりともずっと笑顔で楽しそうに食事されていたので、次の日、ニュースで市村さんががんだと知ったときはビックリしました。あの夜は告知された当日だったんですよね…。
今から思えば、きっと、“どんなにつらい闘病生活になっても、笑顔でいよう。そして、がんに打ち勝とう”と命を信じて約束をされていたんじゃないですか。本当に素敵な夫婦だなぁと感じました」(居合わせた常連客)
普段は体を気遣い、市村に“肉食”を控えさせてきた篠原。しかし、この夜ばかりは病魔との闘いを前に、夫に大好物を食べてもらって、少しでも生きる活力にして欲しいという願いを込めていたのかもしれない。
子供たちのためにも、そして私のためにも決して負けないで…という思いを込めたふたりきりのディナー、多くを語らなくとも互いの気持ちは確かに通い合っていた。
※女性セブン2014年8月14日号