つんく♂プロデュースのアイドル集団・ハロー!プロジェクトに所属する7人組グループ・Berryz工房が、8月2日に中野サンプラザで行われたコンサート『Hello!Project 2014 SUMMER KOREZO!』のMCで、来春をもって無期限の活動停止に入ることを発表した。
2002年に行われた「ハロー!プロジェクト・キッズ オーディション」の合格者15人の中の8人で2004年に結成されたBerryz工房。2005年に1人卒業するも、そのほかの7人はオリジナルメンバーのまま現在に至り、今年には女性アイドルグループとしては異例の結成10周年を迎えた。最近では“ももち”こと嗣永桃子のバラエティー番組での活躍でもおなじみだ。
コンサートのMCでキャプテンの清水佐紀は「来年春をもって無期限活動停止とさせていただくことになりました」と発表。また“解散”ではなく“無期限活動停止”としたことについて、嗣永は、Berryz工房は青春の全てであり、解散するとその存在自体がなくなってしまう、Berryz工房という存在があり続けて欲しいから“活動停止”という言葉を選んだ、と説明した。
プロデューサーつんく♂はブログで活動停止に至った経緯を説明。メンバーたちと話し合った結果だとしたうえで、「彼女達が次のステップに向かう良いキッカケになるのではないか」と、その理由を説明している。
Berryz工房の活動停止には、ほかのアイドルたちにも大きなショックを与えている。たとえば、熊井友理奈の大ファンだというHKT48の指原莉乃は、ハロー!プロジェクトの公式サイトで発表される前、コンサートに来ていたファンなどがネット上に流していた情報を受け、ツイッターで「ベリがちなのかなんなのか教えてよ」と困惑した様子を見せていた。また、嗣永桃子の大ファンであるSUPER☆GiRLSの前島亜美も同じくツイッターで「え….ベリさん…..」と信じられない様子だった。
アイドル業界全体に衝撃を与えたBerryz工房の活動停止宣言。実は、Berryz工房に憧れていたという現役アイドルは驚くほどに多い。アイドルに詳しい音楽ライターはこう説明する。
「現在Berryz工房のメンバーの年齢は20歳から22歳ですが、メジャーデビュー当時は全員小学生で9歳から12歳でした。時期的にはモーニング娘。やミニモニ。が大ブームになった少し後で、ハロプロのコンサート会場には、小学生の女の子がたくさんいた頃です。小学生女子にとって、同世代の女の子がアイドルとしてステージ上で歌って踊っているというのは、とんでもないインパクトで、その姿を見て“私もいつかアイドルになりたい”と夢見た小学生がたくさんいたことでしょう。当時はハロプロ以外のアイドルグループも少なくて、小学生女子にとってはBerryz工房こそが“自分たちのアイドル”だったんです」
ちなみに、Berryz工房の中で年上組となる清水佐紀と嗣永桃子は、元AKB48の前田敦子や板野友美、現AKB48総監督の高橋みなみらと同学年だ。彼女たちは、小学生の頃からアイドルとして活動するBerryz工房の後を追うような形で、アイドルになっていったともいえるだろう。
「10年前にBerryz工房がデビューしていなかったら、アイドルになりたいと思う女の子は今ほどいなかったはず。つまり、今のアイドルブームがあるのは、Berryz工房がいたおかげなんですよ。そんなグループが活動停止になってしてしまうのは、本当に残念です」(前出音楽ライター)
アイドルブームの礎を築いた伝説的グループの活動停止を発表した今、一つの時代が終わろうとしているのかもしれない。