都庁の担当者はあの日以来メールと電話の対応に忙殺されている。舛添要一・東京都知事が訪韓した際の朴槿恵・大統領への媚びっぷりに、モーレツな抗議が殺到しているのだ。
「7月29日現在、電話で1078件、メールで1万件以上の抗議が来ています。そのほとんどが知事の訪韓に対する非難の声です」(都政策企画局総務課)
7月25日に青瓦台(韓国大統領府)で行なわれた会談では、朴大統領と握手する際、腰を折り曲げてペコペコしていた舛添氏。朴大統領が「一部政治家の言動で両国関係に難しさが出ている」「慰安婦問題は普遍的な人権問題」などと自説を述べ、舛添氏が大きくうなずく姿が報じられた。そのあまりの低姿勢ぶりに激怒した都民らが次々と抗議を寄せているのだ。
さらに朴大統領との会談後にソウル大学で行なった講演で、根拠もなく「90%以上の東京都民は韓国が好きだ」と発言したことも怒りを増長させた。都政関係者が明かす。
「抗議の電話の中には『もう東京都に税金を払わない! ふるさと納税する』という声も少なくないらしく、舛添氏の側近たちも頭を抱えているようです」
他の自治体にふるさと納税をすると、その額とほぼ同じ金額が所得税と住民税から控除される。その分都に払う税金を減らせるというわけだ。
都政策企画局総務課に確認すると、「私自身はふるさと納税に関する電話は受けたことはありませんが、税金を払いたくないという声があったのは事実です」と語る。
会談後、「日韓関係にささやかながら暖かい風を吹かせることができたかな」と自賛した舛添氏。都の財政は逆にお寒くなるかもしれない。
※週刊ポスト2014年8月15・22日号