現在放送中の上戸彩主演のドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系、木曜22時~)は、白昼堂々と不倫に興じる人妻が話題だが、現実には夫が家を空ける昼間に風俗店で働いている主婦も決して少なくない。しかしそうした女性たちは、家庭があるだけに、仕事場はかなり慎重に選んでいるようだ。
「自宅が名古屋なら仕事は岐阜、大阪暮らしなら滋賀、といった感じで、少し離れた職場を希望する人が多い」(風俗雑誌『俺の旅』編集長の生駒明氏)
関西在住の麻里子さん(45歳・仮名)は、何と“新幹線通勤族”だ。
「夫は商社勤めで、毎月、海外出張があるんです。それに合わせて私も東京に“出張”しています」
そう話す彼女は冒頭のドラマで熱演する吉瀬美智子似の上品で知的な美女で、ヘアスタイルもメイクもぬかりなく、高級そうなワンピースに包まれた肢体はどう見ても30代だ。趣味はグルメやエステ、ショッピングなどの自分磨きだという。ただ、そのために夫の稼ぎを使うのは忍びなく、仕事をしたいと考えた。
「これまで働いたことがないこともあって、近所で仕事をするのはちょっと恥ずかしくて」
そこで、遠方で高額を得られる仕事をネットで探し、現在所属する高級ソープ店を見つけ出した。
「宿泊施設があって、セキュリティやアリバイ協力もしっかりしている点がいいと思いました。それで面接を受けたらすぐに採用されたんですが、私、そこが何をする店なのかよくわかっていなかったんです。講習でいろいろ教わっても『こんなこと、見ず知らずの男性にできるのかな』と不安でした。でも、お客さんにも、手取り足取り、親切に教えてもらえました」
そう爽やかに笑う彼女は、今は月の半分近くを“出張先”で過ごし、150万円稼ぐ月もあるという。麻里子さんのような理由で、風俗店勤務という高いハードルをやすやすと越える女性は少なくない。「自分の体はお金と交換できると知っている援助交際世代が、もう人妻になっています」というのは元風俗嬢でノンフィクション作家の酒井あゆみ氏だ。
「でも、お金だけでなく、自分の中に女性としての価値を見いだすという目的もあります」
風俗嬢への技術講師を務めるメイクラブアドバイザーの水嶋かおりん氏も「ここ2~3年で、性的な興味を理由に風俗店で働くことを選ぶ人妻が増えています」と話す。
「もともとセックスに関心があって楽しみたいとかご主人とセックスレスで欲求が溜まっているという理由が多いですが、“女として認められたい”という承認願望も強い。そういう理由でやってくる彼女たちは努力するので、人妻風俗はサービスがいいと人気なんです」
※週刊ポスト2014年8月15・22日号