夏の甲子園を主催する高野連(日本高等学校野球連盟)の公式HPから、大会開幕前にある役員の名前がこっそり消されていた。名簿から消えたのは「佃省三理事」。
本誌は7月11日号の〈高野連理事「不倫メール350通と愛人宅での寝そべりショーツ写真」を公開する〉と題した記事で、佃氏が愛人との不倫関係を県教育委員会に告発されたことをスクープした。
現職の教員でもある佃氏が平日の昼間から愛人女性の家に入り浸り、高野連主催の大会期間中にもその女性と不倫旅行に出かけていたという告発内容は大きな反響を呼んだが、高野連は「まず事実関係を県高野連に確認させる」と佃氏の処分を保留していた(兼務していた鹿児島県高野連理事長の職は本誌発売日に辞任)。
以来、何の処分発表もない。それなのに役員名簿からは名前が消えていたのだ。
高野連事務局に問うと、「週刊ポストが発売された直後に佃氏が辞表を提出したので、名前を消しました」という。が、「正式に辞任したわけではない」とも答えた。どういうことか。
「甲子園大会の前に開かれる理事会で承認されないと、正式な辞任にはならない」(事務局)
しかし、「辞任はしていないが名簿からは消す」というやり方からは、世間に「もう高野連とは関係ない人」と印象づける意図が透けて見える。
球児たちの不祥事については、発覚した時も処分を下す時も積極的に広報する高野連が、今回は随分と様子が違うようだ。加えて、大会を共催する朝日新聞、毎日新聞などの大手マスコミの「だんまり」も不自然極まりない。
※週刊ポスト2014年8月15・22日号