2010年にスタートしたNHKの朝の情報番組『あさイチ』。「セックスレス」「ママ友トラブル」「母が重たい」など、40代以上の女性の声を取り入れた番組作りが話題を呼び、「週間高世帯視聴率番組10」の教育・教養・実用【関東地区】部門(ビデオリサーチ調べ)で1位を独走している。
そんな『あさイチ』のなかで、女性の赤裸々な悩みに、“男代表”として絶妙なコメントをするのが井ノ原快彦さん(38才、以下イノッチ)。女の世界に口をはさむって難しいのでは? そこで、放送終了後のイノッチに突撃インタビュー!
「ん~、コメントに悩んだことはないな~」とイノッチ。台本がしっかりあるとか?
「いやいや、実は『あさイチ』では、リポーターがプレゼンする時の解説部分以外は台本がなくて、ぼくらのコメントはすべてアドリブ。そもそもVTRが終わった後、誰が映されて、誰にコメントを聞くかも、直前にカンペで知らされるから用意ができない。パッと映像が変わって、井ノ原さんどうぞ、なんて指示が出されて『え? 何も考えてないよ』っていうまま進む…」
とてもそんなふうには思えない気の利いたコメントばかり。失敗はしないのだろうか。
「いや、よく失敗していますよ。生放送で撮り直しはきかないから。でも、周りが笑顔でフォローしてくれる。そんなゆる~い雰囲気があるんですよね。台本できっちり決められているのもいいけど、ぼくは朝から型にハマって緊張したくないタイプ。視聴者も気軽に見たいでしょ」
実は、台本はもちろん、事前にどんな企画をやるのか、特集以外は大枠でしか伝えられていないという。
「だからこそ、新鮮な驚きがあって、それをそのまま言葉にしちゃう。例えば、料理コーナー『解決! ゴハン』の前に、サブキャスターの駒村多恵さんが寸劇を披露してくれるんだけど、その内容も秘密。きっとスタッフは、ぼくがどう反応するか考えながら作ってくれているんだよね」
つまりは、視聴者と同じ目線ということ。
「案外それが大切なんじゃないかなと…。スタッフもぼくに視聴者目線のコメントを言わせるために、わざと教えない。それどころか、翌日以外の特集に至っては、何ひとつ知らされていなくて、明後日の特集は自分でホームページをチェックしているんです。まさに、いち視聴者!」
※女性セブン2014年8月21・28日号