好調が続くNHK朝の情報番組『あさイチ』。今年7月の最高視聴率は18.1%(7月9日放送。ビデオリサーチ調べ、関東)だ。そんな、他局がうらやむ高視聴率は、番組が始まった2010年当初から続いている。
「当初は、1年後に10%行けばいいと思っていたので驚きました」とは、チーフ・プロデューサーの吉田卓哉さん(48才)。視聴率が高い理由は?
「これまでの朝の情報番組との違いは、ターゲットを40代・50代の主婦を中心にしたこと。というのも、この世代があまり朝のNHKを見ていないんです。育児、介護とさまざまな分岐点に立つこの世代が、前向きになれる番組を作ろうというのが目的でした。しかし、どの世代にも共通するテーマが多かったのか、たくさんのかたに見ていただけるようになったようです」
「発達障害」、「子どもの性」など、きわどいテーマにも食い込むのが『あさイチ』。女性の悩みを細やかにすくい上げる企画はどうやって生まれたのだろう?
「うちはディレクターの半分以上が女性。他の現場に比べたら多いです。ぼくたちじゃ、女性の世界はわかりませんから、彼女たちの肌感覚から出た企画を尊重しています」
となると、男性スタッフは肩身が狭いのでは?
「そうですね(笑い)。ぼくら男が納得のいく企画を出しても、女性陣に『面白くない』と言われれば、なかなか通らない。『親の片付け』企画の時も『こんなの誰が見るんだ?』って議論になったんですが、これが大反響。現場で男女がもめる企画ほど、いいものになるんですよね」
過去には「セックスレス」など、NHKらしからぬテーマに挑み、批判も受けたとか。
「たしかに、2010年の6月と2011年の10月に放送したこの特集は大反響でした。『朝からセックスなど連呼するな』などのお怒りもありましたが、実際は『よくやってくれた』という声が多かったんです。この企画で、その後の特集の方向性も決まりました」
※女性セブン2014年8月21・28日号