公開中の映画『STAND BY ME ドラえもん 3DCG』。先行試写を見た多くの各界著名人が涙した。この現象を“ドラ泣き”と呼び、今話題になっている。そこで4人の女性に集まってもらい“ドラ泣き”を体験してもらった。
【ドラ泣き体験者】
鈴木陽子さん(フードスタイリスト)
森みずえさん(45才)
大塚雪絵さん(41才)
土屋まゆみさん(51才)
試写が終わった直後、4人は試写室のソファでしばらくシンとしていた。のび太と同じ4年生の男の子を持つ大塚さんは、涙で目が潤んでいた。まさにドラ泣き──。
大塚:うちの息子とのび太が重なっちゃって、泣けてしょうがなかったですよ。「日々の思い出こそ、君からの最高の贈り物だよ」ってしずかちゃんのお父さんが言うじゃないですか。毎日息子に怒ってばかりいるけど、そういう日常こそ宝物なんだってしみじみ思いました。
森:本当に私も息子のことを怒鳴ってばかりいる…。
鈴木:うちも娘の反抗期がずっとあって、もう娘のことしか考えられなくてね、私の更年期と重なってもう地獄絵図みたいなときがありましたよ。でも、泣いても何しても、そこで手を放すと子供は成長する。子供を信じて、寂しいけど手放す。聖なる手放しって言うんですって。
土屋:そのお話、ドラえもんとのび太の別れのシーンみたいですね。のび太が幸せになるために未来から来て、彼自身の力を信じて別れるという…。
森:ドラえもんって、のび太の母親という一面があるのかもしれませんね。
鈴木:今回映画を見てドラえもんってこんなに深い話だったんだって驚きました。生き方の技術を教えている。
森:そうそう、のび太のために色んな道具を出すんだけど、結局は道具に頼っていても何も解決しない。
大塚:うちの息子ものび太と一緒で「どうせボクなんて…」ってよく言うの。でも、自分でやる気スイッチを入れなきゃ人は変われないんですよね。そういうことをこの映画では教えてくれる。
土屋:のび太は普段は本当にダメダメなんだけど、ときどき頑張る。それがしずかちゃんのためだったり、誰かのために頑張る健気さが可愛くて切なくて…。
大塚:しずかちゃんの結婚前夜のシーン、娘のことを思ったら泣けてきた。私自身が親にありがとうって言えなくて、実は今でも心にひっかかっているんです。
森:私は結婚式の前の日、父に今までありがとうって言ったら、父が照れちゃって、バスタオルで顔覆って号泣してましたね、懐かしい(笑い)。
鈴木:のび太を選んだしずかちゃんは強い女性ですよ。自分を幸せにしてくれる男を選ぶんじゃなくて、自分が幸せにしてあげる、そういう新しい結婚観なのかもしれない。
土屋:しずかちゃんは何でもできる出木杉君ではなく、自分を必要としているのび太君を選んだ。その決意にしずかちゃんの懐の深さを感じました。
大塚:恋愛や結婚も描いているし、子供も大人もカップルも、すべての世代にジンとくる映画だと感じました。
※女性セブン2014年8月21・28日号