月間PV(ページビュー)数、44億という驚異的な数字を誇る「XVIDEOS」を筆頭に、日本語に特化した「FC2アダルト」など、無修正アダルト動画を観ることができる動画共有サイトにユーザーが殺到している。
掲載されている動画のジャンルは多岐にわたる。しかもこれらのサイトではその多くが、無修正の作品なのだ。海外で運営されているサイトなので、観るぶんには現状、日本の法に抵触することはない。最近ではパソコンだけでなくスマホでも閲覧が可能で、もはや誰もが好みの無修正動画を、どこでも無料で、観られてしまう時代なのである。
しかし、リスクはゼロではない。これらのサイトを支えているのは広告収入だ。再生されている動画の横や下には広告がちりばめられており、中にはワンクリック詐欺などの不法サイトもある。誤って押してしまうと、「ご登録ありがとうございます。〇万円の料金が発生します」などの表示が出ることも。さらに、広告自体がウイルスで、感染したパソコンやスマホから個人情報が抜き取られるケースもある。
ウイルス対策ソフトを入れておくのはもちろんのこと、広告は絶対にクリックしないのが鉄則だ。万が一、押してしまった場合でも、強制的にお金を取られるわけではないので、焦らずに広告を閉じることを心がけることが大切。
もう一つ注意が必要なのが動画の出元だ。こうした無修正動画はAVメーカーの関係者が勝手に流出させたものであったり、元々ネット販売されていたものであることも多く、著作権を侵害している可能性がある。サイトを通じて閲覧するだけなら罪に問われることはないが、ダウンロードしてハードディスクに保存すると違法性が出てくる。
最近では、別れた恋人への腹いせに、昔撮ったセックス動画をネットに流出させる“リベンジポルノ”もこうしたサイトに溢れている。その動画を観ることで、間接的に誰かを傷つけていることもあるかもしれないのだ。
手軽に無修正動画を観ることができる時代だからこそ、そういった危険性は十分に認識しておくべきだろう。
※週刊ポスト2014年8月15・22日号