全米世論調査によると、オバマ米大統領は33%もの得票で「戦後最悪の大統領」に選ばれた。実際にイラク情勢を見ればオバマの無能ぶりは明らかで、オバマ氏に限らず世界の指導者が劣化していると作家の落合信彦氏は嘆く。そのオバマ氏に対して、日本の指導者である安倍晋三首相はどのような存在か、落合氏が論じる。
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オバマにNOを突きつけるだけ、アメリカ人はマシかもしれない。日本は、その「戦後最悪の大統領」にバカの一つ覚えのように依存し、すり寄ろうとする愚かな政治家を首相としながら、いまだに多くの国民がその政権を支持しているのだ。
安倍晋三は集団的自衛権の必要性を説く際、繰り返し「何かあればアメリカが来てくれる」ことを前提として発言していた。中国が尖閣を攻めたとき、いまのアメリカが本気で助けに来てくれるとでも思っているのだろうか。そんなことをアメリカ議会が許すはずがないし、骨抜きになってしまった国民が許さないからだ。
それでも、そのオバマに安倍は媚びへつらっている。4月の首脳会談で寿司屋に連れて行ったときが象徴的だ。安倍は「オバマは『人生で一番おいしい寿司だ』と言っていた」とご満悦だったが、その後の報道で、オバマは寿司を半分も残したことが明らかになった。オバマがハンバーガーが大好きという事前情報すら得ていなかったのだろうか。
オバマの視界に、安倍は入ってすらいない。
しかし、実はこの2人は、政治家としてそっくりなのだ。まずお互いに、指導者としてはあまりに弱い。発言だけは勇ましいが、しょせんやっていることはおままごとに過ぎない。
※SAPIO2014年9月号