スポーツ

スノボ銀メダリスト竹内智香 スイス代表チーム入りが転機に

 2月、ソチ五輪でスノーボード女子パラレル大回転で日本人初となる銀メダルを獲得した竹内智香選手(30才)。才能に恵まれているように見える彼女だが、7年前には日本代表チームから外されることも。そんな彼女が起伏に富んだ半生を綴った『私、勝ちにいきます』(小学館)を上梓した。

 竹内さんは元マラソン選手で現在スポーツキャスターの高橋尚子さん(42才)と旧知の仲だという。竹内さんと同書を読んだ高橋さんの2人がスポーツ選手としての転機について語った。

 1999年に行われた長野五輪を見て、竹内さんは本格的にアルペンスノーボードを始めた。しかし、「日本人はこの種目で世界に通用しない」、当時はそれが常識だった。そうした中、彼女は2012年12月にイタリアで開催されたW杯で初優勝。そして、前述の通り、ソチ五輪で銀メダルを獲得する。転機は年8月、強豪国スイスのナショナルチームに入ったことだった。

竹内:尚子さんは自分を成長させるために、実業団を転々とする厳しい環境を選ばれたんですよね。

高橋:当時、小出義雄監督に「実業団チームで走らせてください」と申し入れたんだけど何度も断られたの。智香ちゃんもスイスの代表チームには直談判したんでしょ?

竹内:はい。私は当時23才で、日本代表では最高齢になり、代表メンバーから外されてしまったんです。それで、もう失うものはなにもないし、自分を試してみたくて、強豪国のスイス代表チームに直談判したんです。でも何度も断られて。「どうして、スイスチームに知らない日本人選手が入るのか?」って。それでも粘って、まずは2か月限定で練習への参加が許されました。

高橋:しかも、ドイツ語を話せないと練習参加は認められなかったんでしょ?

竹内:スイスにベビーシッターをすることで無料で住まわせてくれる家があったので、ベビーシッターをしながら覚えました。

高橋:私も英語は勉強したけど、そのうえドイツ語もなんて本当にすごいと思うよ。

竹内:ありがとうございます。日本の代表チームを外れたことが悔しかったし、日本人は世界に通用しない、という言葉を見返してやりたかったんです。このまま手ぶらで日本にも帰れないという“意地”もあったと思います。

「スイスへ行けばなんとかなる」ではなく、「なんとかする」という強い気持ちで行動していました。

高橋:その意地とプライド、そして志が高いからこそ4度目のオリンピックでメダルが獲れたんだよね。

※女性セブン2014年8月21・28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さんが刺傷され亡くなった。送検される高野健一容疑者(左・時事通信フォト)(右が佐藤さん、Xより)
〈愛里生きてね〉〈ずっとだいすきでいたいから〉“最上あい”さんと高野健一容疑者の出会って3か月後の“親密LINE”を詳報【高田馬場ライバー刺殺】
NEWSポストセブン
米津玄師の新曲MVに出演した羽生結弦(米津玄師の公式スタッフのXより)
羽生結弦、米津玄師との“奇跡のコラボ”で見せた4回転ルッツ 着地失敗で封印したジャンプが仙台で復活、より強くなる“災害に対して祈りと希望を届けたい”という気持ち
女性セブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さんが刺傷され亡くなった。送検される高野健一容疑者(左・時事通信フォト)(右が佐藤さん、Xより)
〈シンママとして経済的に困窮か〉女性ライバー “最上あい”さん(22)、高野容疑者(42)と出会った頃の「生活事情」 供述した“借金251万円”の裁判資料で判明した「2人の関係」【高田馬場・刺殺事件】
NEWSポストセブン
角田信朗が再婚していた
格闘家・角田信朗が再婚していた!「本当の意味でのパートナーに出会えた」「入籍はケジメです」お相手は23歳年下の“女将さん”
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSにはさmざまな写真が公開されている
「死者のことを真摯に思って反省しているとはいいがたい」田村瑠奈被告の父に“猶予つき判決”も、札幌地裁は証拠隠滅の可能性を指摘【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・最上あいさんが刺傷され亡くなった(左・Xより)
〈オレも愛里なしじゃ生きていけない〉高田馬場刺殺事件・人気ライバー“最上あい”さん(22)と高野健一容疑者の“親密LINE”《裁判資料にあったスクリーンショット》
NEWSポストセブン
体調不良を理由に休養することになったダウンタウンの浜田雅功
《働きづめだった浜田雅功》限界だと見かねた周囲からの“強制”で休養決断か「松本人志が活動再開したときに、フル回転で働きたいからこそ」いましかないタイミング
女性セブン
いまだ精神鑑定が続く、瑠奈被告
《すすきの頭部切断事件》現場のホテルが格安で売りに出されていた 肝試し感覚で利用者増加、当該の部屋には「報道にあったお部屋です」の説明文
女性セブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・最上あいさんが刺傷され亡くなった(左・Xより)
《生々しい裁判記録》「3万円返済後に連絡が取れなくなった」女性ライバー“最上あい”さん(22)と高野健一容疑者の出会いから金銭トラブルまでの全真相【高田馬場刺殺事件】
NEWSポストセブン
渡米した小室圭氏(右)と眞子さん(写真/共同通信社)
「さすがにゆったりすぎる…」眞子さんが小室圭さんとの買い物で着ていたロングコートは5万6000円の北欧の高級ブランド「通販で間違えて買った」可能性
NEWSポストセブン
2023年12月に亡くなった八代亜紀さん
《没後1年のトラブル勃発》八代亜紀さん、“私的写真”が許可なく流出する危機 追悼CDの特典として頒布予告、手がけるレコード会社を直撃
女性セブン
おもてなし計画を立てる大谷翔平(写真/アフロ)
【メジャー開幕戦】大谷翔平、日本凱旋でチームメートをおもてなし計画 選手の家族も参加する“チームディナー”に懇意にしているシェフを招へいか、おすすめスポットのアドバイスも
女性セブン