2013年の日本人の平均寿命は過去最高を更新した。男性は80.21才で世界4位、女性は86.61才で世界1位だ。しかし、ただ長生きをするだけでなく、溌剌と毎日を送れるようにしたいもの。そこで健康長寿の驚きの秘訣を紹介する。
「私も旦那も中年太りが深刻。メタボも心配だし、ダイエットしなきゃ」というのが口癖になってる方いませんか?「太りすぎは万病のもと」「太っていると長生きできない」と考えがちだが、実はこれは間違いのようだ。
自分の体重が適正かどうかを判断するのに使われる数値に「体重(kg)÷〔身長(m)×身長(m)〕」で算出されるBMI(ボディマス指数)がある。日本肥満学会では最も病気にかかりにくい「BMI22」を標準とし、「25以上」の人は肥満に分類されている。
これに異議を唱えるのは『なにをどれだけ食べたらよいか。』(ゴルフダイジェスト社刊)の著書がある日本応用老年学会理事長の柴田博氏だ。
「30才以上の男女1万人を14年間追跡調査した結果、最も死亡率が低いのは、『BMI24~27.9』の群でした。少し肥満気味といわれる人のほうが長生きすることがわかったのです」(柴田氏)
2013年に米疾病対策センターが米国医師会雑誌に発表した研究結果でも「BMI25~30未満の過体重に分類されたグループの方が、BMI18.5~25未満の普通体重とされたグループよりも死亡リスクが6%低い」ということが判明した。
また、ダイエットでは「体脂肪を減らす」ことに重点が置かれがちだ。だが「減らしすぎは危険」だと柴田氏は言う。
「脂肪はエネルギーの貯蔵場所で、ビタミンA、E、Dをはじめ重要な栄養素がすべて入っている。加齢によって閉経を迎え女性ホルモンが卵巣から出なくなったときは、皮下脂肪から女性ホルモンが出てくるんです。女性にとって皮下脂肪は非常に重要なんですよ」(柴田氏)
※女性セブン2014年8月28日号