野比のび太の誕生日翌日、8月8日から全国の映画館で公開され大ヒット中の『STAND BY ME ドラえもん』が、劇場内のあちこちからすすり泣きが聞こえると評判だ。TwitterなどSNSでも「泣けた」「号泣した!」との言葉が多いが、なぜ泣いたのかに触れた感想はまだ少ない。そこでTOHOシネマズ日本橋で映画を観終えたばかりの大人たちに、どの場面で泣いたかを聞いてみた。するとドラえもん、のび太くん、しずかちゃん、お父さんなど、いま作中人物の誰を身近に感じているかでもっとも泣ける場面が少しずつ異なることが分かった。
多くの男性が感動した場面として真っ先に挙げていたのは、ドラえもんが未来へ帰ると決まったあと、のび太がひとりでジャイアンに立ち向かうところだ。ほとんどの人が、かつてマンガやアニメで見てストーリーを知っているにも関わらず泣いたと告白している。
「ドラえもんがいなくなって、のび太がひとりきりで頑張る様子を見ていたら、泣いちゃいました。どんなときも二人の友情は強いんですね」(20代・Aさん)
「のび太が、ドラえもんがいなくてもひとりで頑張ると決意したところです」(40代・Bさん)
「ドラえもんから独り立ちしようと、のび太が頑張るところです。思い出したら、また泣けてきました」(30代・Cさん)
のび太の気持ちにシンクロして泣いてしまった意見としては、他にも
「しずかちゃんのために、彼女に嫌われようと努力するのび太が健気でせつなかった」(20代・Dさん)
などが挙げられた。そして女性からは、結婚前夜のしずかちゃんとお父さんのエピソードを挙げる人が多かった。
「しずかちゃんのお父さんが超やさしくて、じわっときちゃいました。自分の父のことを思い出しました」(30代・Eさん)
「いまの時代は家族でも関係が希薄になっていますよね。お父さんは大切なことを言っていたと思います。大人の心に響きます」(30代・Fさん)
ここまではのび太やしずかちゃんなど作中の子どもたちに自分を重ねた感想だが、4歳の息子さんの誕生日祝いに家族で映画を見に来た30代のGさんは、作中の大人に共感して泣いている。結婚前夜のしずかちゃんにお父さんが語りかける場面で、自分の家族の将来に思いを巡らせたからだ。