冷夏と予想されても今年の夏も暑い日が続いている。エアコンなしに過ごすのは人にとってもイヌにとっても過酷だ。Can! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導する西川文二氏が、ペットにおすすめの暑さ対策について解説する。
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温暖化って奴ですかね、いくら夏っつ~ても、昔はこんなに暑くなかった。エアコンなんてなかったけど、なんとか過ごせてた。
当然の如くこの季節よく質問されるのは、暑さ対策。それも私めのスクール、車での移動やお留守番などは、事故や地震などの万が一に備えてクレート(小型犬ならプラスチック製のキャリーバッグ)に入れることを日頃お奨めしてる。だからなおさら。
エアコンによる室温調節を怠らないことはもちろんだけど、震災以降は、停電もなきにしもあらずってんで、エアコンに頼りきらない方法、ってぇのも求められる。
身近にあって、使い勝手がいいのは保冷剤。クレートの屋根に乗せる。電気冷蔵庫が普及してない時代の、氷を使った冷蔵庫の庫内。ま、それと同じような原理、クレート内の温度は下がる。
保冷剤を、クレートの中に入れるのはNG。アレ中味が微妙。口にしても中毒の心配はないけど、下痢嘔吐はありえるらしい。
クレートの中に入れるなら、以下がお奨め。コングっちゅうゴム製のおもちゃの、ちっちゃい方の穴をチーズかなんかで蓋をして、中に水をためる。で、全体を凍らせる。水分補給にも役立つし、退屈しのぎにもなる。ふやかしたフードを詰めて、凍らせるのもいい。
保冷剤を使う方法はクレートの内側に結露ができる、コングを使う方法もクレート内が濡れる、なんてな「玉にキズ」的一面はありますけどね。まぁそれぐらいは、大目にみるってことで。
エアコンなんか普及してなかった私めが幼少のみぎりは、庭で一番涼しい場所は犬に聞け、家の中では猫に聞け、っていわれたもん。
奴らが好んで寝てるとこには、いい風がす~っと通ってた。当時夏の定番といえば、打ち水、うちわ、蚊帳に風鈴……いやぁ、そんな時代が懐かしくもありますわな。
※週刊ポスト2014年8月15・22日号