田原俊彦が8月2、3日に品川ステラボールで、デビュー35周年記念の『ALL SINGLE’S LIVE』を行ない、2日間で、全シングル69曲を熱唱した。ライブ初日、『抱きしめてTONIGHT』のイントロが流れ、暗転した舞台にライトが当たると、会場から大歓声が上がった。元CHA-CHAで、田原のバックダンサーや振付師を長年にわたり務めていた木野正人(45)が登場したのだ。
1980年代後半、木野は“のおちん”こと乃生佳之とともにBD104(バックダンサートシ)を組み、田原のバックで華麗に舞っていた。同時期に、『欽きらリン530!!』(日本テレビ系)をきっかけに生まれたアイドルグループ・CHA-CHAの一員としてもデビューを果たし、お茶の間の人気者となった。
順風満帆な芸能生活に思えた1990年5月、木野は大きな決断をする。CHA-CHAを脱退し、アメリカへ単身ダンス留学したのだ。帰国後は、田原のバックダンサーとしても活動。最近は活動拠点を地元・静岡に移し、ダンスライブを開催したり、静岡新聞で連載コラムを執筆したりしている。ライブで、メンバー紹介の際にマイクを渡されると、木野は田原との思い出を語った。
「CHA-CHAで仕事が忙しくなって、(ジャニーズ事務所の)合宿所に泊まる日が増えてきたら、トシちゃんが『俺の部屋使えよ』って。夢のようですよ。ものすごく大きい部屋ですから。そこで寝泊まりして、本当にいい気分だったのを覚えています。その部屋が似合う男になりたいなと思って頑張ってきたんですけど、まだまだその域に達していない気がします」
2日目には『かっこつかないね』で登場。田原のシングルのなかでも、かなり動きの激しい楽曲にもかかわらず、26年前の振り付けを一切変えず、ダンスの切れ味も鋭く、観客を感嘆させた。
今回のライブで、相棒・乃生佳之の復活はならかったが、『抱きしめてTONIGHT』『かっこつかないね』の乃生のポジションは、今年で田原のバックダンサー歴7年になるShunが務めた。
木野とも2年間、田原のバックで一緒に踊ったShunは7月に静岡で行われた木野のライブに訪れ、終盤にはステージに上がり、ダンスを披露。固い絆で結ばれている2人の息は、田原のステージでもピタリと合っていた。
「40周年に向けて、僕も(トシちゃんを)精一杯サポートしていきたいと思っていますので、よろしくお願いします」と木野は今後もタッグを組んでいくことを宣言した。