普段、何気なく歩いているだけで映ってしまう街の防犯カメラ。防犯ジャーナリストの梅本正行さんはこう話す。
「全国で数百万台以上あるといわれています。カメラは小型化されているので、どこにあるかなかなか気づきにくいものもあります」(梅本さん)
では、われわれは普段、どれぐらい防犯カメラに撮られているのか? 都心に住む主婦Yさんがパート先に行き、仕事帰りに買い物をして自宅に帰ってくるケースを見ていきたい。
自宅を出ると、まずは商店街で路上にある防犯カメラに捉えられる。そしてコンビニへ立ち寄ると、ここでもカメラからは逃れられない。
「店舗の中、従業員用スペースなども含めて1店舗につき、平均13~15台のカメラがついています。最近はレジで何を買ったかまで写る。店外には不法投棄を監視するためゴミ箱付近を写すカメラもある。ゴミを捨てる姿も写っているのです」(防犯カメラメーカー関東セキュリティ代表の吉田賢一さん)
Yさんは電車を利用して、パート先まで通勤。駅でもその姿はキャッチされている。
「最近ではJR埼京線のように痴漢対策のため電車内に防犯カメラを導入しているところもあります。ここでも写る可能性があります」(梅本さん)
昼になるとYさんはランチを買うため、コンビニへ。仕事が終わり電車で、最寄り駅に近いスーパーで買い物。その際、店内や電車内だけではなく利用したエレベーターや路上などいたるところに防犯カメラの目があるのだ。そして、帰宅するまで再び商店街にあるカメラにさらされるAさん。
「Yさんのケースのように都心に住み、コンビニ、スーパー、駅などを日常的に利用している人は1日平均で150~200台ぐらいのカメラに写るといわれています。防犯カメラが捉えた映像は、コンビニやスーパーなどの場合、おおよそ1か月程度ハードディスクに保存され、いっぱいになると上書きされるケースが多いです。映像の確認は、万引が発生したときや売り上げとレジの金額が合わないときなどに店舗責任者が行っているようです」(吉田さん)
また、道行く人が利用するスマホのカメラに写りこんでしまう可能性もあると安全生活アドバイザーの佐伯幸子さん。
「街を歩いていて撮られてしまった画像がツイッターなどSNSに配信されることがある。他人が何気なく撮った風景をSNSにアップしたつもりでも、そこに偶然写りこんでしまい、個人情報がさらされる危険性もあります」(佐伯さん)
いたる所に存在するカメラの目。油断していてうっかり恥ずかしい瞬間をバッチリ撮られてしまったケースは枚挙に暇がない。
※女性セブン2014年9月4日号