1953年2月のNHK開局により、日本のテレビ放送が本格的にスタート。それから7年後の1960年7月、元祖昼ドラといわれる『日日の背信』(フジテレビ系)が放送される。この作品は、いわゆる“よろめきドラマ”だった。
「昔は朝、昼、夜とすべての時間でドラマ放送があり、TBS系列のCBC(中部日本放送)、MBS(毎日放送)も制作していて、しのぎを削っていたのです。それが、時代とともにだんだん枠がなくなり、昼ドラは東海テレビだけが残りました」
東海テレビ・ゼネラルプロデューサーの西本淳一さんはそう振り返る。
「東海テレビの昼ドラは、今年で50周年。昼メロから入り、文学作品もありますが、一貫して描いているのは“人間ドラマ”。人間の喜怒哀楽を含めた姿を、時代を映しながら描いています」(西本さん)
また、コラムニストのペリー荻野さんは、次のように当時を振り返る。
「母が好きだったということもあり、子供の頃から昼ドラを見ていて、ど根性ものの花登筐の『あかんたれ』(東海テレビ)にハマってました。加山雄三の若大将シリーズでは、清純派だった星由里子(70才)が、『ぬかるみの女』(東海テレビ)では突如として“お水の花道”に転身していたんですね。こんな役も演じるのかとびっくり仰天しました」
さまざまな家庭を舞台に耐え忍び、愛によろめく作品を経て、1980年代に入り、大正から昭和までの日本を描いた嵐シリーズがスタート。
その後、『嵐が丘』『風と共に去りぬ』を原作にした「グランドロマン」と呼ばれるシリーズは、昼ドラの王道へとつながる。
※女性セブン2014年9月4日号