ドロドロした愛憎劇が多いというイメージの昼ドラだが、シリーズ化されているのは、TBS系の『温泉へ行こう』、東海テレビの『はるちゃん』や『花嫁のれん』など、旅館ものが多いという特徴がある。
旅館は、常にお客さんが変わるため、今という時代を切り取りやすいので、シリーズ化しやすいようだ。コラムニストのペリー荻野さんはこう語る。
「日本人って、仲居さんの生活にここまで興味があるのかって、不思議に思いますよね。でも、安定感があるし、なんだかんだでドラマになると見ちゃうんですけど(笑い)」
恋愛を描くことが多い昼ドラには、純愛が多い。復讐劇を繰り広げている現在放送中の『碧の海』(東海テレビ)も、根本は初恋純愛ものなのだ。原案は女性セブンで連載していた漫画『女帝・由奈』の原作者でもある倉科遼さん。このドラマの担当プロデューサーの松本圭右さんは、こう語る。
「倉科さんが沖縄を舞台に、キラキラした純愛を描きたいというので、漫画『女帝』シリーズとは真逆のものになりました。キラキラを描くには闇の部分が必要なので、復讐劇仕立てになっています。子供の純粋さを、どこまで影の部分と対比しながら描けるか。夏休み中の子供たちにも見てもらいたいですね」
欠かさずチェックしているというペリーさんは、
「航太が舞を背負って逃げるって、少女漫画的展開は、ゴールデンでやると今どきコレ? っていわれるかもしれないけど、少女漫画的にはありなんですよね。これが女子の心を鷲掴みにするんです。昼ドラの時間帯は男子目線も子供目線も気にしなくていい。だからドップリハマれるんですよ。青春純愛ものは、中高生になった気分で見ることができるんです。
そうそう、純愛ものといえば『ピュア・ラブ』(MBS・TBS系)では、デートは明石焼き屋の「かたつむり」で会って、話をするだけ。本当の純愛でしたね。ああ、語り出したら止まらない。もう一度見たい!」
※女性セブン2014年9月4日号