CDが売れなくなった時代と言われながらも、やはり重要なのがオリコンランキングだ。「デビュー作で初登場1位」とか、「〇〇作連続1位」といった記録が出れば、その都度エンタメニュースに取り上げられるわけで、そういう意味では、オリコンランキングで結果を出すことの宣伝効果は計り知れない。
とはいっても、本当にCDが売れないとランキング上位には入らない。そもそも知名度の低いアーティストにとっては、オリコンランキングを宣伝に使うことなど、夢のまた夢だ。
しかし、ここ最近はその状況が少し変わってきているという。オリコンランキングに詳しい音楽関係者はこう話す。
「ウイークリーチャートは人気アーティストが上位を占めるので、なかなか難しいのですが、デイリーチャートに関してはランクインできる“隙”があります。インディーズ系のアイドルなどは、発売日をずらすなどして、オリコンデイリー1位を狙うケースが増えています」
通常、オリコンのウイークリーランキングは、月曜日から日曜日までの売り上げを集計する。多くのアーティストは、それにあわせて水曜日に発売日を設定し、その前日の火曜日に店着というスケジュールでCDを発売している。
そうなると、もっともCDが売れるのはいわゆる“フラゲ日”(フライングゲットできる日)である火曜日で、日を追うごとに売り上げは減っていく。その結果、月曜日のCDの売り上げがいちばん少なくなるのだ。
つまり、デイリー1位がもっとも狙いやすいのは月曜日ということ。一部のアーティストは“デイリー狙い”で、“フラゲ日”が月曜日になるように発売日を火曜日に設定しているという。
例えば、2014年に入ってからの月曜日のオリコンデイリーランキングを見てみると、
3月10日付 1位 青山☆聖ハチャメチャハイスクール『STARTING OVER』
4月7日付 2位 平成琴姫『Darkness~心の闇』
7月7日付 2位 つばさFly『Unforgettable Days/FLY AGAIN』
8月11日付 1位 HIP ATTACK from アイドリング!!!『黄金蟲』
といったように、たしかにブレイク前のアイドル系が上位に食い込んでいるケースが多い。
「デイリーで上位に入ればニュースにもなるので、宣伝費をかけられないインディーズ系のアイドルにとっては、有効な手段です。ただ、アイドリング!!!の派生ユニットがこの戦法を使ってきたのはちょっと驚きでしたね。フジテレビ主導のメジャーアイドルにとっても、やはりデイリー1位はおいしい宣伝材料だったのでしょう」(前出音楽関係者)
とはいえ、デイリー1位を獲ったからといって、売り上げが伸びたというわけではないのも事実。
「アーティストにもよりますが、通常フラゲ日である火曜日のデイリーランキングを見ると、少なくとも1万~2万枚くらい売れていないと上位には入れません。しかし、月曜日のデイリーランキングでは数千枚の売り上げで上位は確実。強いアーティストがいない場合は、1000枚くらいで3位以内に入ってしまうこともあります。残念ながら“デイリー1位を獲ってから売れている”とは言い難いのが現実です。むしろ、デイリー1位を獲ってからが勝負ですよ」(前出音楽関係者)