雑誌・女性セブンにて『女は男の指を見る』などの著書があるエッセイストで動物行動学研究家の竹内久美子さんの新連載『目からウロコの人生相談』がスタート。今後続々と皆様のお悩みにお応えしていきたいと思います。竹内さんへの相談は記事下方のメールアドレスにお寄せください。
今回は妙齢の娘さんを持つ多くの親御さんが気になるであろう「娘の結婚」についてのお悩みにお応えいただきました。
【相談】
30代前半の娘のことでご相談です。娘にはつきあっている彼はいるようですが、いまだに結婚する気がないようです。相手について迷っているのか、自由を楽しみたいだけなのか、わかりませんが、早く結婚してほしいのです。何か良い説得方法はありませんでしょうか?(62才・主婦)
【回答】
もしかすると娘さんは今、厳しく相手選びをしている最中なのかもしれませんね。人間も含め、動物は「メスがオスを選ぶ」が鉄則です。なぜ「オスがメスを」ではなく、「メスがオスを」かというと、こういう事情があるから。
人間でいえば、女は一度妊娠すると、出産、授乳と次々するべきことが控えていて、次に子をつくるチャンスは年単位でしか巡ってこない。女には一生に産むことのできる子の数に限りがある。となれば同じ産むなら、相手の質をしっかり見極めたうえで産みたい。男なら誰でもいいのではなく、ごく少数の、優れた遺伝子を持った男でなくてはならないのです。
一方、男はといえば一度射精したなら、次なる子をつくるチャンスは精子が回復したとき。数日後、いや数時間後ということだってある。実際に子ができるかどうかは別として、子をつくるチャンスだけはいくらでも転がっているのです。
そのようなわけで、男としてはダメ元で、数打ちゃ当たる方式で、どんどん女にアタックすべしということになるのです。そうしてみるならば、冒頭でも触れたように娘さんはまだ厳しく相手を選んでいる段階、あるいは、結婚したらだんなだけになるから、と今のうちにいろいろな男性とのおつきあいを楽しもうとしているのかもしれません。
そんな娘さんには、これからお話しすることを伝えてください。そうすれば、そんなに厳しく相手を選ばなくてもいいこと、少々不満ありの男を選んだとしても、それで人生終わりではない、まだチャンスはある、だんなは終着駅ではないということがわかるでしょう。
イギリスの動物学者、ロビン・ベイカーとマーク・べリスは、3000人以上の女性にアンケートを実施。いちばん最近のセックスがパートナーとだったか、浮気相手とだったのかと問いました。その結果わかった「浮気確率」を、だんなとの間にすでに何人子がいるかという切り口で見てみます。
子の数:0人 / 浮気確率:5%
子の数:1人 / 浮気確率3%
子の数:2人 / 浮気確率10%
子の数:3人 / 浮気確率16%
子の数:4人以上 / 浮気確率31%
だんなとの間に子が2人いるあたりからどんと増え、以後うなぎのぼり。
もちろん浮気をするからには、だんなよりも質のいい男でなくては意味がないし、女は自ずとそういう男を選んでいます。こうして女は、同じ産むなら質のいい男の子供を産みたいという究極の目的を、長い時間をかけて達成することができるのです。
これはあくまでイギリスでの実態ですが、男選びは結婚前だけでなく、結婚後にもできる。娘さんの説得に成功されることを願います。
【質問募集】
竹内久美子さんに悩みを相談したい方は、
nayamukado@shogakukan.co.jpまでご連絡ください。
※女性セブン2014年9月4日号