「あまちゃん』(NHK)で元気いっぱいのヒロイン、天野アキとして一躍有名になった能年玲奈(21)が次に挑戦したのは、アキとはまるで違う中学生の不良少女だった――。
時代を超えて読み継がれている少女コミックを実写化した映画『ホットロード』。そのなかで、母に愛されていないのではないかという不安を抱えて生きる主人公、和希を演じる。
実は『あまちゃん』の出演前に決まっていた『ホットロード』のキャスティング。原作コミックの初版は1986年、これまで何度も実写化を望む声が上がったが、原作者が首を縦に振らず見送られてきたが、ようやく能年が原作者のお眼鏡にかない実現した。
「この役をいただいたときに、原作ファンを裏切らないように演じきろうと、決めました」と、言葉を選びながら能年は続ける。
「自分という存在をぶれさせず、いかに役になりきるかが難しかったです。8割役になりきり、残りの2割は冷静に客観的に見る自分がいないと人を楽しませる演技はできないと思うから」と演技に対する持論を語る。
今回は、決してセリフの多い役ではなかったが、鬱々とした表情で揺れ動く少女の気持ちを表現している。「無表情での演出がとても難しく、どう演ずればいいか悩んだ末、目で意志が伝わる演技に落ち着きました」と演じたキャラクターのイメージを彷彿させた。
※女性セブン2014年9月4日号