母親の胎内にいた時や出産時を記憶している子供たちがいるという。そうした胎内記憶にまつわる調査は1999年より本格化したが、驚くのは胎内記憶の調査中に、過去生記憶を語り始める子供たちもいるということだ。
例えば、3才くらいまで自分を“ヤマガタヒロシ”と名乗っていた男の子や、「アメリカに住んでいた、芝生のある家だった」という子が。ほかには、過去生では今と同じ小学3年生で車にひかれて死んでしまったという女の子も。
「黒い車が信号を無視して飛び込んできて、周りにはたくさんの車が信号待ちをしていた。その時、私は青い習字箱を持っていた。だから、今度は(今生では)大きい横断歩道は気をつけているの」というのだ。
世界における胎内記憶研究の第一人者である産婦人科医の池川明さんは言う。
「過去生記憶は、生まれ変わりや魂の存在を前提としており、いろいろな議論があると思います。ですが、これらの記憶も、出生前後の記憶の一種として、持って生まれた子供がいるということは事実なのです。子供たちの意識のあり方を考える上で、興味深い例だと考えています」
過去生記憶が強く残った人には、ある共通点があると話すのは、超心理学の専門家・大門正幸さんだ。
「過去生記憶を持つ子にはパターンがあります。2~5才くらいで過去生について語り出し、その話と符号するような振る舞いを見せるのですが、7才くらいまでにその記憶は薄れ出し、成人まで残る例はあまりない、というものです」
ではなぜ、過去生記憶を持って生まれてくるのか。
「世界各国のデータを総合的に見ると、人の意識は肉体を超越していて、いわば『生まれ変わり』のようなメカニズムが存在すると考えるのがいちばん自然な解釈のように思います」(大門さん)
思い出される過去生は、非業の死を遂げていたり、幼い子供を残して死ぬなど、やり残したことがある場合がかなりの割合を占める。
「つまり、衝撃的な死のトラウマによって、本来消去されるべき記憶が次の生に持ち越されたといえるかもしれません」(大門さん)
※女性セブン2014年9月4日号