《一周忌をどう過ごすべきか、どういう気持ちで迎えるべきか悩んでいる時に、幼くして父を亡くした友人に命日の過ごし方を聞いたら『兄は命日を偲ぶけど、私は父の誕生日を祝うの!』とのこと。故人の偲び方は人それぞれだし命日にそこまで囚われる必要もないのかなと思えて、少し落ち着けた》(原文ママ)
8月22日、母・藤圭子さん(享年62)の飛び降り自殺という衝撃的な死から1年が経ち、娘・宇多田ヒカル(31才)は自身のツイッターにこう心境を綴った。
しかし、そんなヒカルとは裏腹に、一周忌を複雑な思いで迎えた男性がいた。それは藤さんの実兄で元歌手の藤三郎氏(64才)だ。ヒカルにとって伯父にあたる人物である。
三郎氏といえば、昨年8月、藤さんが亡くなった直後、雑誌やテレビでヒカルの父・照實氏(66才)に対して、怒りをぶちまけていた。それは藤さんの遺体に面会を申し入れた三郎氏を、照實氏はヒカルの代理人という立場から拒み、さらに三郎氏だけではなく全ての肉親、知人との面会を拒否し、通夜、葬儀さえ行わないという異常事態になっていたことを告発したものだった。
そして、藤さんの死から1か月も経たないうちに、三郎氏の元にヒカルから、こんな手紙が届く。
《母の意志に沿い通夜葬儀納骨は行わず なお且つ母の強い指示で遺骨は散骨させて頂きました》
三郎氏にしてみれば、実の妹の遺骨に手を合わせることもできぬままの“お別れ”を意味する、あまりに一方的なものだった。
「散骨したのであれば、それが海なのか、山なのか…、どこで散骨したかぐらい教えてくれてもいいと思うんです。家族なのに、どこに向けて手を合わせればいいかわからないんですよ」(三郎氏)
こう嘆く三郎氏は、遺体にも会えず、お骨がどこに葬られているかもわからないという重なり合う負の連鎖に、悲痛な嘆きが続く。そしてこの状況ゆえか、こんな疑念を持っているという。
「私はね…本当は散骨していないんじゃないかって思っているんです。誰かに頼んで、どこかのお寺に隠してあるんじゃないかって。だから、散骨した場所も教えられないんですよ。しかも、ヒカルは(ツイッターで)遺言があると言っていたけど、それも本当にあったのかも疑問なんです」(前出・三郎氏)
照實氏への怒りは今も消えないという三郎氏だが、ヒカルのことは気がかりだという。
「今は恨みもないし、結婚生活もうまくいってほしいと思ってます。ただ、妹と同じ道を歩んでいるような気がするから、これ以上は同じ道を辿らなきゃいいけどって思うんです」(前出・三郎氏)
今年5月、8才年下のイタリア人バーテンダーと再婚したヒカル。その姿が三郎氏には藤さんに重なるのだという。
「妹も最初は人気歌手だった前川(清・66才)さんと結婚して、“お金を持っている人は嫌い”って言って離婚して、次は得体の知れない男と再婚して苦労して…。ヒカルも1度目は有名な人(紀里谷和明・46才)と結婚。今度は年下で…。それに急にブレイクしてお金がバーッと入ったところや、芸能活動が嫌になって活動を休止したりしたところまで似ているんですよね。だからちょっと心配なんですよね…。ただただ幸せになってほしいですよね」(前出・三郎氏)
かつてヒカルは三郎氏のことを、こんなふうに評している。
《たびたび小遣い稼ぎに利用され傷ついた母が長年絶縁していた相手》
しかし、彼女にとって三郎氏はわずかに残された肉親。きっと天国の藤さんも実兄と愛娘が争うことは望んでいないはずだ。最後に三郎氏はこう話してくれた。
「もうこれからは遺骨のあるなし関係なくね、永代供養はぼくがやっていこうと思うんです。今後は怒りをぶつけるよりも、妹をどう供養してくかが大切だと思ってます」
※女性セブン2014年9月11日号