広告業界には、いわゆる「ギャラリスト」というものが存在する。これは広告代理店やキャスティング会社が制作するもので、CMや広告、WEBなどの出演契約をするにあたり基準となる金額が明記されたものである。これらはまさに寿司屋の「時価」のようなもので、その時々の人気度により変わっていく。
本誌はこの度広告代理店関係者からこのリストを入手したが、上位60人の女性タレントを見渡して気がつくのは、吉高由里子(26)を代表とする朝ドラ女優陣の健闘だ。しかし、昨年『紅白』をジャックした『あまちゃん』に出演していた3人娘の能年玲奈(21)、橋本愛(18)、有村架純(21)は明暗が分かれた。
ヒロインの母・晴子の少女時代役の有村は今年の上半期CM出演本数トップ(12本。ニホンモニター調べ)に輝いた。伊藤園、ACジャパン、リクルートなど大手が続々とCMに起用した。
「彼女はちょっと仕事をしただけの人でも名前を全部覚えているし、自分から挨拶しに駆け寄ってくる。CMの制作現場で一緒に仕事をした人は、誰もが大ファンになってしまう。それが次のオファーにつながっているんでしょう」(広告代理店関係者)
ジブリ映画『思い出のマーニー』では声優を務め、活動の幅も広げた。現状のギャラは3500万円だが、「1000万単位でのジャンプアップもある」(前出・広告代理店関係者)という。
ヒロイン・アキを演じた能年のギャラは、有村を上回る4000万円。ただし、所属事務所の意向で「あまちゃんイメージからの脱却のため、敢えて仕事を絞ってきた」という。
「それも、現在公開中の主演映画『ホットロード』がヒットするかどうかで事情は一変するでしょう」(広告代理店関係者)
一方、橋本愛(18)は、今年のCMはTOYOTA SPADEの1本のみ。ギャラも3人の中では最も低い2000万円にとどまっている。『あまちゃん』ではアイドルになるチャンスを何度も逃す悲運の美女を演じたが、CM評価でもやや苦戦中というところか。
小泉今日子も『あまちゃん』以降、CM価値が急騰。コーセー・エルシアのCMは「小泉今日子・48歳」のコピーで話題をさらった。
「昔よりスタイルは衰えたけど、年齢を重ねるたびに色香は増している。『あまちゃん』で見せたヤンママぶりも堂に入っていた。40代、50代女性をターゲットにしたCMにはピッタリでしょうね」(某メーカー宣伝担当)
※週刊ポスト2014年9月5日号