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江戸時代の妖怪 今のゆるキャラのようなものと研究家が語る

 2007年よりスタートした、「妖怪」と電車の旅を楽しめる京都の「嵐電妖怪電車」(京福電鉄)や、今年に入り子供たちの心を掴んだ『妖怪ウォッチ』など、ここ数年、妖怪がブームになっている。

 妖怪研究家の湯本豪一さんはこう語る。

「昨今の妖怪ブームの背景には、連綿と引き継がれた妖怪という不思議な存在の魅力があるからでしょう。そもそも妖怪は闇に対する恐れ、自然への畏怖、不安など人間の感情から生み出されたものといわれています」(湯本さん・以下「」内同)

 災害や疫病など、人知を超えた現象が妖怪の仕業として絵巻物などに描かれるようになったのは江戸時代のこと。

「妖怪たちは次第に、名前がつけられ、娯楽の対象になっていきました。今の『ゆるキャラ』のようなものです。葛飾北斎や歌川国芳など有名な浮世絵師も妖怪を題材とした作品を描くようになり、一気に妖怪文化が華やかになっていったのです」

 コミカルな姿をした妖怪が浮世絵をはじめ、双六やカルタなどに描かれるようになった。遊びの中に浸透し、身近な存在となったのだ。これが現在まで続く妖怪ブームの起源といわれる。

 ちなみに、鳥取県の境港商工会議所と境港市観光協会では「境港妖怪検定」を主催している。この検定に合格すると境港商工会議所が認める公式の資格として「妖怪博士」と履歴書に記入できる。

 この検定は、日本各地に伝わる妖怪に関する知識を「資格」として認定するもの。初級、中級、上級の3つが用意され、受験料は2000円から。毎年10月に境港市と東京都調布市で試験が行われており、今年9回目を迎える。

「これまでの合格者は合計で2432人です。年齢や男女を問わずたくさんの人たちに参加いただいています。最年少合格者は6才の男の子で、最年長合格者は75才の男性です」(境港市観光協会の古橋剛さん)

 10月26日に行われる検定への申し込み期限は9月30日まで。妖怪好きならチャレンジしてもいいかも。

※女性セブン2014年9月11日号

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