たくさんの女性アイドルグループが活動をしているが、そのほとんどのグループで採用されているのが“恋愛禁止”のルールだ。もし、このルールを破ってしまった場合は、謹慎処分となったり、グループを脱退させられたりするという。
そして、最近では恋愛禁止だけでなく、“ファンとのつながり”を明確に禁止するグループも多い。“ファンとのつながり”とは特定のファンと連絡先を交換するなどして親密になること。もちろん恋愛関係に発展することも多い。
アイドルグループ「青山☆聖ハチャメチャハイスクール」では、特定のファンと交際していた2人のメンバーが脱退。プロデューサーがイベントでメンバーと交際していたファンの実名を明かし、物議をかもすという出来事もあった。アイドルに詳しい芸能ライターはこう話す。
「つながったファンの名前を晒すというのは本当にびっくりしましたが、実際問題としてアイドルとファンとのつながりを断つのはかなり難しいと思います」
“恋愛禁止”そして“ファンとのつながり禁止”というルールは、アイドルファンであればもちろん知っていること。メンバーたちのことを第一に考えている“ガチなファン”なら、アイドルと繋がって足を引っ張るようなことはしないのでは…とも思うが、実際はそうでもないようだ。主にインディーズ系のアイドルを追いかけているというある20代男性はこう話す。
「大手芸能事務所のメジャーなアイドルとつながるのは、ほぼ不可能です。やはりガードも堅いし、教育も行き届いています。
でも、インディーズ系のアイドルはそもそも運営が芸能事務所じゃなかったりして、ノウハウがまったくないことも多く、ガードも緩いし、タレントの管理も甘い。
出待ちをすれば簡単に連絡先も渡せるし、家や学校だってすぐバレます。メンバーの自宅の最寄り駅に行って、偶然を装って待ち伏せしているファンもいますよ。正直、つながりたいがためにインディーズ系の現場ばかりに通っている“肉食系”のアイドルファンも少なくないです」
さらに、地方アイドルの場合は、もっと簡単にファンとアイドルがつながってしまうこともあるという。前出の芸能ライターが説明する。
「地方アイドルの場合は、コミュニティーが小さいので、アイドルとファンとの距離が異常に近いんですよ。
アイドルの同級生の兄弟がファンだったりとか、アイドルとファンが同じ塾に通ってたりとか、そういうことが普通にある。アイドルが『友達の友達といっしょにカラオケに行きました!』とかブログに書いていて、よくよく調べたら、その“友達の友達”が現場に通っているファンだった、なんてことも珍しくない。
むしろ、つながろうとしなくても、コミュニティーが小さすぎて、自然とつながっちゃったりもするんです。そうなると、ファンなのか友達なのかも曖昧になってきます。つながりを禁止するのも無理ですよね」(前出芸能ライター)
かつては手の届かない存在だったアイドルだが、今となってはそれも過去の話となってしまったようだ。