投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の8月25日~8月29日の動きを振り返りつつ、9月1日~9月5日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は下落。足元で順調なリバウンドが継続していたが、15600円辺りでの上値抵抗が意識されるなか、次第に利益確定に向かわせている。また、米国では9月1日のレイバーデーの祝日による3連休を控えており、海外勢による資金流入も細っている需給状況であった。9月3日の内閣改造を控えるなか、安倍晋三首相と石破茂幹事長との決裂が懸念されたことも、積極的な売買を手控えさせたようである。東証1部の売買代金は15営業日連続で2兆円を下回る薄商いが続いている。
そのほか、ロシアのプーチン大統領とウクライナのポロシェンコ大統領、それにEUの代表らによる首脳会談によって、いったんは地政学リスクへの警戒感は和らいだ。しかし、週末にはウクライナ大統領が、「ロシア部隊が領内に侵入」と緊急声明を発表し、一気にウクライナ情勢が緊迫する状況に。
物色は個人主体によるテーマ株物色が中心となり、これまでのミクシィ<2121>を柱とした中小型株物色の流れから、リニア工事関連などの社会インフラ関連に。その後も、デング熱の国内発症を受けた殺虫剤に関連する物色のほか、週末には電池関連などへの物色も目立った。また、医薬品株の一角には中期経営計画等を材料視した物色も活発だった。
今週はイベントが目白押しとなるが、一番の関心は、内閣改造と党役員人事の発表になりそうだ。安倍首相と石破幹事長との溝が埋まるかが不安視されていたが、石破氏は「トップの決定に従うのは当然のことだ」と、入閣を受諾する考えを示唆しており、改めて政策期待が高まるだろう。
そのほか、1日には4-6月期の法人企業統計、日印首脳会談、8月の中国製造業PMIが予定されている。2日には8月の米ISM製造業景況指数。3-4日に日本銀行が政策委員会・金融政策決定会合を開く。また、3日に米地区連銀経済報告(ベージュブック)。4日に欧州中央銀行(ECB)が金融政策を発表するほか、8月のADP雇用報告、7月の米貿易収支が予定されている。そして、5日には8月の米雇用統計となる。
1日がレイバーデーの祝日で米国は休場となり、週末の雇用統計を控えて週を通じて商いは膨らみづらいと考えられる。それ故に、内閣改造によってアベノミクス第2幕への期待感が高まるかが注目されるところであろう。足元で急伸する銘柄が目立ち、やや需給の質は悪そうだが、現時点での需給状況は良好である。日経平均がこう着の中でも、個人主体による政策テーマ物色が投資家の先高期待を後退させない。