「氷水をかぶるか、100ドル払うか」──、こんなフレーズで広まった「アイス・バケツ・チャレンジ」キャンペーンが世界中で大ブームとなった。しかし、氷水をかぶっている人たちの映像を見て「いったいこの人たちは何をやってるんだろう」と感じたというのはビートたけし氏だ。
このキャンペーンは、難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の研究を支援するための運動で、指名された人は24時間以内に頭からバケツに入った氷水をかぶるか、100ドルをアメリカのALS協会に寄付するか、あるいはその両方をやるかを選ばなければならない、というもの。氷水をかぶった人はさらに3人を指名して、「氷水かぶり」の輪がどんどん広がっていくという図式である。たけし氏が語る。
「あんなの、まるで『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)でやってた『ひょうきん懺悔室』だよ。絵面だけ見りゃ、キリスト様に『バ~ツ!』ってやられて、水をドバっとかぶってるのと全く同じじゃないか」
たけし氏は8月23日に放送された『新・情報7days ニュースキャスター』(TBS系)で「指名されても絶対やらない」「カネも払わない」と語っている。「なんで冷たいのをかぶんなきゃいけないんだよ? オイラは熱湯に入ってカネを取る方だぞ。宗旨がまるで違う」とも説明した。この発言について、たけし氏はこう語る。
「説明はいらないかもしれないけど、PTA激怒のオイラの名物企画、『スーパージョッキー』(日本テレビ系)の『熱湯コマーシャル』を引き合いに出して茶化してやったんだよな。まァ、ああやって一言のギャグにしてぶった切ることが、時に100の理屈を並べるより本質を突いちゃうことがあるんでね」
たけし氏の発言の反響は大きく、その後も記者会見など様々な場所で「アイス・バケツ・チャレンジ批判発言の真意は?」と聞かれる機会が増えたという。たけし氏は、同キャンペーンは「うさん臭くて仕方がない」と、大きな違和感を持っている。9月1日発売の『週刊ポスト』(9月12日号)誌上では、その「違和感の正体」についてたけし氏が詳しく語っている。