東大や早慶、上智などに通う「高学歴風俗嬢」が増えている。『日本の風俗嬢』(新潮新書)の著者、中村淳彦氏が背景を語る。
「1990年代にも、風俗で働く女子大生はいました。彼女たちは外見が派手で、ブランド品などを買う遊興費のために風俗で稼いでいた。 一方、今の女子大生は、学費や生活費を合理的に稼いで卒業するために風俗でアルバイトをしています。だから見た目は普通の学生という子が多い」
この20年ほどで大学生をとりまく経済状況は悪化の一途をたどっている。全国大学生活協同組合連合会(生協)が実施した「学生生活実態調査」によると、1996年の学生は平均で月額10万2240円の仕送りを得ていた。それが2013年には7万2280円と3割近く減っている。
日本学生支援機構が実施した「学生生活調査」(2012年度)では、親からの仕送りだけで大学生活を送れる大学生は、およそ3人に1人しかいないことが明らかになっている。
「特に、東京の大学に通う地方出身の女子大生が風俗で働くケースが増えています」というのは、風俗雑誌『俺の旅』編集長・生駒明氏だ。
「定番である飲食店でのバイトなどでは時給が1000円程度と低いうえ、激務を強いられることも少なくなく、体調を壊してしまう人もいます。それに嫌気がさすと、夏休みだけとか週に2日だけとか、自分のペースで働けて時給のいい仕事を探すようになるのです」
中村氏もいう。
「時給が高く、勤務時間を自分の裁量で決められる。これが女子大生が風俗を選ぶ主な理由です」
高学歴の現役風俗嬢が増えているのは、雇う側の事情もある。
「同じ容姿なら高学歴のコの方が需要があります。はっきりいえば男としては、そっちの方が興奮するということです。実際に『○大在学』と売り出すと指名は多いし、リピート率も高くなります」(デリヘル店店長)
かつての店舗型のヘルスとは違って、派遣型ヘルスだとリピーターをどれだけ獲得できるかが勝負になる。
「ただの女子大生ではなく、付加価値の高い有名大学の女子大生は喉から手が出るほど欲しい人材なのです」(中村氏)
※週刊ポスト2014年9月12日号