「全然大した話じゃないんですけど、うちの親父が死んだんですよ」──8月31日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ系)のオープニングトークで、ダウンタウン・松本人志(50才)は、突如、こんな話を始めた。
MCを務める後輩芸人・東野幸治(47才)以外、出演者、スタッフには一切知らせていなかったという松本はこう話した。
「でも、そんなに親父と折り合いはよくはなかったので…。だから親父が死んでも、別にええかなと思ってたんやけど、思ったより、“あっ、結構きやがるな”っていうのはありましたよ」
“折り合いはよくなかった”──松本と父・讓一さん(享年81)の親子関係には、長年にわたるわだかまりがあったという。
1963年、兵庫県尼崎市で姉、兄がいる3人きょうだいの末っ子として生まれた松本。小学生になると、親子関係はギクシャクし始める。
「松本さんは“九九”を覚えていないという理由だけで、“お前みたいな奴は、何やったってアカン! しかも、そこまで言うかというぐらい、無茶苦茶言われたのよ”と親父さんにめっちゃ怒られたとこぼしていたことがありました。しかも、それがトラウマになって親父さんに“恐怖”を感じるようになったとも話していましたね」(お笑い関係者)
あるインタビューで、松本は讓一さんとの思い出について、こう語っている。
「おやじが自分をバイクの荷台に乗せた。連れられたのは、遠い遠い埋め立て地。一緒に歩くうち、ふと、おやじの背中がずんずん小さくなっていく。“アカン、捨てられる”。石につまずきながら、必死で後ろを追いかけた。小学2年生当時の、キッツイ記憶」
中学、高校へ上がると父への思いは反発に変わっていく。そして、お笑いの世界に入るときも讓一さんは反対した。
《吉本(興業)入るときも、ぼろっかす言われたもんね。「絶対、無理や」って(中略)「絶対、出世したろ」みたいな気になりましたよねえ》(著書『松本人志 愛』)
その後、松本はダウンタウンとして、一気にお笑い界の頂点まで上り詰めたが、それでも父は認めてはくれなかったという。冒頭の番組で松本は「最終的にぼくのこと、1回も褒めてくれなかったので」と明かしている。
結局、最後まで雪解けすることがなかった松本と讓一さん。しかし、番組終了後、ツイッターでこうつぶやいた。
《葬式で帰省。あの人と暮らした尼崎を少し歩いた。あの人と子供の頃行った太陽の塔を見に行った。あの人と食べたチキンライスを食べたらさすがにいろんな感情が押し寄せて来やがった。。。》
かつて相方・浜田雅功(51才)は、『チキンライス』という曲をリリースしている。親孝行に関する歌詞なのだが、ここで外食時におけるチキンライスについて言及しているのだ。この曲の作詞を手掛けたのは松本だった。
※女性セブン2014年9月18日号