エッセイ集『上機嫌のわけ』(ワニブックス・1350円)を上梓した関根麻里(29才)。キュッと引き締まった小顔にまん丸の大きな目。テレビで見るのと変わらない、明るい笑顔で現れた関根。一見ほんわかした印象を受けるが、言葉を交わしてみると実に率直で、裏表のないストレートな答えが返ってくる。
幼稚園から高校までインターナショナルスクールに通ったからだろう、彼女は、日本的で曖昧な言い方でなく、自分の考えをはっきりと表現する。
「小さい頃から世界中の人と触れ合ってきたので、“人は1人1人が違っていて当たり前”という価値観があります。発想や考え方が自分と違っても、その人を否定するようなことはないですね」
高校卒業後、コミュニケーションの勉強をするため、プログラムが充実している、アメリカ・エマーソン大学に進学。アメリカの大学は卒業するのが難しいとされるが、彼女は3年間ですべての単位を取得し、なんと、首席で卒業した。
「私、ケチなんですよ(笑い)。学費を払っているぶん、何でも吸収してやろうという意気込みが強くて。
学校の図書館やメディアセンターに頻繁に足を運び、本を読んだり、映画を見たり。夏にはハードなカリキュラムのサマーコースがあって、授業内容は同じなのに、期間も授業料も半分。それも積極的に受講しましたね」
外国に住んだ経験は彼女の視野を広げ、大きく成長させた。
「実際に住んでみると、文化の違いを感じる場面が多かったですね。日本人は“それ素敵ね”と言われると“いえいえ安物なのよ”などと謙遜しがちですが、同じリアクションをアメリカ人にすると“私の意見を否定するの?”と、言われます。“では、なんて言えばいいの?”と聞くと“サンキューでいいじゃない?”って。“ありがとう”ってすごく素敵な言葉ですよね。だから、それ以来、意識的に使っています。
もちろん、やわらかい表現や謙遜の文化は日本のよさです。だから、それぞれいいと思える部分をチョイスして、状況に合わせて表現するよう心がけています」
相手が外国人でも臆することなくコミュニケーションをとり、自分を上手に表現し、成績も優秀だった彼女は、父・関根勤(61才)から「外ヅラ良し子」と呼ばれていたという。もっとも、本人に言わせれば、
「外ヅラがいいのは当然です。外ではいいコでいるのがマナーであり、人づきあいの基本だと思うからです。
誰かと会うとき、相手に不快な思いをさせてはいけないし、迷惑はかけない。あっ、でも、だからといって、家で不機嫌でいるわけではないんですよ(笑い)」
※女性セブン2014年9月18日号