中国電子商取引最大手のアリババ集団の創始者で会長を務める馬雲(ジャック・マー)氏の総資産が民間企業では中国一となったことが分かった。2位と3位も同業者の創始者が占めた。昨年までトップだった不動産大手の創業者を抜いており、中国がITビジネスの巨大市場に成長したことが証明された形だ。米経済・金融専門通信社ブルームバーグが伝えた。
馬氏の資産総額は218億ドル(約2兆2672億円)で、2位が同業種のテンセントの創業者、馬化騰氏の163億ドル(約1兆6952億円)、検索サービスの百度(バイドゥ)の李彦宏氏の158億ドル(1兆6432億円)。
4、5、6位はそれぞれ不動産最大手の万達グループ会長の王建林氏、飲料最大手のワハハグループ会長の宗慶後氏、やはり電子商取引大手の京東商城グループの劉強東氏──だった。このランキングは、中国でIT産業がビジネスの主流になっている一方、今年に入ってから不動産業界の不振が反映されているようだ。
このようななか、中国のIT業界のなかでもアリババが群を抜いているのは今年第2四半期(4~6月)の決算にも表れている。売上高は157億7100万元(約2700億円)と前年同期比46.3%増の大幅な伸びを示し、1~3月期(38.7%増)の伸びよりも大きい。本業の儲けを示す営業利益は26.3%増の68億4400万元(約748億円)となった。
アリババの売り上げが好調なのは、今月にも予定されている同社のニューヨーク証券取引所での上場も大きな理由の一つになっているのは間違いないだろう。
上場した場合の株式の時価総額について、アリババ自体は1540億ドル(約16兆円)と見込んでいるが、ブルームバーグは2000億ドル(約20兆8000億円)を超えると予想している。
馬雲氏はアリババ株の8.8%を所有していることから、株式だけで176億ドル(約1兆8300億円)もの資産を有することになる。上場に伴う資金調達額は、ネット企業では過去最大だった米ヤフーの200億ドル(約2兆800億円)に並ぶとの分析も出ている。アリババにはソフトバンクが34.1%、米ヤフーが22.4%出資している。ソフトバンクの孫正義会長は笑いが止まらないことは想像に難くない。