番組終了10分前、101キロのチャリティマラソンを走り終えたTOKIO城島が武道館にゴールしたその直後、歴代2位となる瞬間最高視聴率41.9%を記録し幕を閉じた今年の『24時間テレビ 愛は地球を救う』(8月30~31日放送、日本テレビ系)。
感動に包まれたその裏で、ある番組関係者は苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべていた。
理由は裏番組の31日午前のバラエティ番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)に出演していた松本人志が発した一言だ。
22年前にダウンタウンが『24時間テレビ』の司会を務めたことに話題が及び、東野幸治が「24時間テレビに対するアレルギーみたいなのはなかったんですか」と聞くと、松本は「もちろんあったよ。(自分が)こんなんやってええのか」と返し、こう続けたのだ。
「ギャラもろていいのかという話になる。ギャラもらいましたよ、だってそれはやっぱり仕事やから」
番組関係者は明かす。
「『24時間テレビ』で一番触れられたくないのがギャラ問題です。チャリティ番組の性質上批判を受けやすいうえに、昨年はギャラを巡る問題もあったので、今年は特にこの話題に箝口令が敷かれていました。それなのに最悪のタイミングで暴露されてしまった」
昨年メインパーソナリティを務めた嵐のギャラが5000万円だと報じられ、その高額出演料が問題視された。すると日テレは「嵐のメンバーにはTシャツのデザインを含めボランティアで務めていただいています」と異例のコメントを発表し、火消しに躍起になった経緯がある。
「ギャラを支払っているのは事実です。でも公に認めたのはおそらく今回の松本さんが初めて。メインパーソナリティのギャラは超極秘扱いなので、せめて金額だけはバラさないでくれとみんな願っている」(同前)
実際にはメインパーソナリティ以外のギャラは他番組に比べると安いという。
「事務所側としては『謝礼はこの金額で』といわれたらそれを飲むしかない。たとえば2時間特番でギャラ30万円の中堅タレントの場合でその同額程度。2時間特番の収録はせいぜい4時間で済みますが、『24時間テレビ』では拘束時間が2倍、3倍にもなります。年1回のこの番組に出演するのは好感度や知名度を上げるチャンスでもありますが、気持ちはボランティアですね」(芸能事務所関係者)
同番組の元ディレクターが内情を明かす。
「『24時間テレビ』は局のドル箱コンテンツで多くの経費が使える貴重な番組。スポンサーは数多いのにタレントへの出演料が通常の番組よりも安いから、利益率が高いのです」
結局、松本発言に困るのは懐潤う日本テレビのようだ。
※週刊ポスト2014年9月19・26日号