いよいよ9月に入り、プロ野球の優勝争いも佳境を迎えつつある。セ・リーグでは現在巨人が首位を走っているが、巨人OBの広岡達朗氏は、古巣に対して厳しい目を向けている。広岡氏が巨人に提言する。
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思えば開幕当初からおかしかったでしょう。せっかく阿部慎之助が4番に落ち着いてきたかと思ったら、獲ったばかりのキューバ人をいきなり4番に据えてみたり、本来の4番打者に7番や8番を打たせたり。わけの分からない野球をやっている巨人をどう評論していいのか、私は分からんのですよ。
OBとしていいたいのは、巨人にはまともなチームとして勝ってもらいたいということ。正しい選手の使い方をして勝たないといけない。だから今の巨人は落第です。負けてくれたほうがいいとさえ思っています。今のまま勝つと困るんです。他球団はすぐに巨人の真似をするから、球界のためにならない。自軍選手を育成して純粋な野球をやるチームこそが勝つべきだ。だから個人的には広島が勝てばいいと思います。
そもそも足だけ、守りだけで大金をもらう選手が多すぎて、チーム編成がおかしくなっている。走攻守の三拍子揃った選手を育てるのが当たり前なんです。そうして選手にそれぞれの役割を与え、できなくなればユニフォームを脱がせる。それが巨人の伝統ですよ。
もし私が川上(哲治)さんに「7番を打て」といわれたら「じゃあ辞めます」といいます。そうしたプライドがあったのは江川(卓)まででしょう。小早川(毅彦)にホームランを打たれて辞めたんだから偉い。今の巨人はこういう教育がまったくできていない。
高橋由伸には、「ヘタな守備でケガしやがって。休んでばかりで億単位の年俸をとるのか」といいたいね。まァ、これがキツすぎるというなら、「キミはクリーンアップを打つべき選手なんだ。打てないなら辞めてくれ」くらいはいうべきなんです。それで惜しまれつつ辞めて、後進の指導に当たるというのが筋ですよ。
※週刊ポスト2014年9月19・26日号