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宿題代行業は「詐欺的行為」か「ニーズに応えた経済行為」か

 週刊ポスト9月5日号が掲載した〈「宿題代行業者」に我が子の課題を頼んでみた〉という体験ルポが大反響を呼んでいる。いち早く批判の声をあげたのは教育評論家の尾木直樹氏だ。
 
〈れっきとした「詐欺罪」です!! 子どもに(中略)お金でなんでもできるという歪んだ価値観を教えることになります〉
 
 ブログでそうぶち上げると、テレビ番組やスポーツ紙で宿題代行業者の存在がクローズアップされ、大きな論争へとつながった。
 
 夕方のニュース番組やワイドショーではコメンテーターらが代行業者を痛烈にバッシング。業者の存在を否定的に捉える声が大半だった。宿題代行は「悪徳」なのか。本誌は尾木氏に改めて聞いた。
 
「宿題代行業者は、あってはならない存在です。夏休みの宿題は、普段できないことにじっくり取り組む点に価値があります。代行業者はその貴重な機会を奪った上でお金を取り、さらに子供に嘘をつかせている。いわば詐欺的行為でしょう」
 
 義務教育初の民間人校長を務めた元杉並区立和田中学校校長で著述家の藤原和博氏は業者の存在についてこう指摘する。
 
「問題を解くだけでなく、子供の筆跡を真似したり絵のタッチを似せたりといったところまでいくと、詐欺的行為といえるのではないでしょうか。そうして作られた読書感想文や絵画がコンクールに出されて受賞したら、あの作曲偽装で世間を騒がせた佐村河内守氏と同じような問題になります。
 
 ただし業者自体はニーズに応えて誕生し、サービスを提供しているだけで、純粋な経済行為といえます。それを規制することは難しい」
 
 もちろん宿題代行業務自体に違法性はないが、それでも尾木氏は「ニーズがあるからといってどんな仕事でもしていいわけではありません。殺人依頼があれば人を殺していいことにならないように、子供に詐欺的行為をさせるような業者の存在は許されないでしょう」と主張する。

※週刊ポスト2014年9月19・26日号

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