9月3日に行なわれた内閣改造で「将来の女性首相」と鳴り物入りで経産相に起用された小渕優子氏だが、政策面ではこれといった実績は聞かない。麻生内閣時代、当選3回で少子化相に抜擢されたが、その前は文部政務官を経験したくらいだ。
第2次安倍政権の発足時には、「総務会長就任を打診されたが、固辞して財務副大臣を希望した」(額賀派議員)とされる。その理由がいかにも真面目なお嬢さんらしい。政治ジャーナリストの野上忠興氏が語る。
「親父さんの小渕恵三首相は派内に有力なライバルが多く、実力者の登竜門である財務大臣を経験できなかった。生前、そのことを残念がっており、派閥の長老が優子さんに『財務副大臣を経験し、財務官僚とのパイプを作って将来に備えた方がいい』とアドバイスした」
財務省の神輿に乗ることが“出世の早道”という計算のようなのだ。いったん財務省の懐に入ると、政策は官僚が全部用意し、実態は「財務省のイエスマン」であっても、メディアを通じて「将来の首相候補」「政策通」の虚像が作り上げられてゆく。思い出してほしいが、あの民主党の菅直人氏や野田佳彦氏も首相就任前には「政策通」「実務能力が高い」と“財務省ポチ新聞”に持ち上げられていたのである。
※週刊ポスト2014年9月19・26日号