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国民年金・厚生年金・共済年金の基礎知識を「年金博士」解説

 年金は国が自動的に「くれる」ものではない。私たち自身が制度を知り、知恵をたくわえなければならない。なぜなら年金は「申請しないと受け取れない」ものだからだ。年金博士として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏が、「3分でわかる年金の仕組み」を解説する。

 * * *
 公的年金は、「国民年金」「厚生年金」「共済年金」の3種類と、「厚生年金基金」など各種基金で構成される。これら公的年金のどれに加入するかは職業で決まる。

 民間サラリーマンは、「第2号被保険者」と呼ばれ、いわゆる「1階部分」として国民年金、「2階部分」として厚生年金に加入。「3階部分」にあたるのが厚生年金基金で、企業が個別に金融機関と契約し、社員の保険料の運用を外部委託する。

 厚生年金の保険料は給料から天引きされ、会社勤めの間は退職するまで加入義務がある。受給額は1階部分と2階部分に対応し、2つの部分で構成される。

 1階に対応するのが「基礎年金部分」で、加入期間によって額が決まる。40年加入で満額の約77万円(年額)が受け取れる。

 2階に相当する「報酬比例部分」は現役時代の報酬に比例して決まる。ボーナス込みの平均月給40万~45万円という平均的な人で月額7万~9万円になる。

 自営業者や開業医、弁護士など個人事業主は「第1号被保険者」と呼ばれ、20歳から60歳まで国民年金に加入することが義務だ。

 現在の保険料は月々1万5250円。受給額は厚生年金の基礎年金部分と同じで、40年間の加入で満額の年間約77万円が受け取れる。

 国民年金にも国民年金基金と呼ばれる「2、3階部分」がある。

 都道府県別や職業別に組織され、自由に加入口数や加入年数を選べる。2013年から新たに60~65歳でも加入できるようになった。

 これまでは厚生年金、国民年金、共済年金も、合算して最低25年加入していないと年金を1円ももらえなかったが、消費税率が10%になるタイミングに合わせて(来年10月予定)、最低10年間に短縮されることになった。

 1994年と2000年の制度改正で、厚生年金の受給開始が60歳から65歳へと段階的に引き上げられている

※週刊ポスト2014年9月19・26日号

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