この8月半ばから日本全国で震度3以上の揺れが続いている。周防 (14日=震度3)、奄美大島北西沖(15日=震度3)、根室半島南東沖(19日=震度4)、岐阜県美濃中西部(24日=震度3)、茨城県南部(24日=震度4)、大阪湾(26日=震度3)、栃木県南部(26日=震度3)、福島沖(29日=震度3)など全国各地で地震があった。
「測量学の世界的権威」で東大名誉教授の村井俊治氏は、全国で約1300あるGPSの電子基準点のデータを追跡して地殻の微少な変動を計測し、地震の「前兆現象」をとらえている。村井氏は驚くべきことに、5月5日以降、計4回発生した震度5以上の地震をすべて的中していた。
本誌はその村井氏にこの状況を分析してもらった。村井氏は報告が上がった最新6週間(7月6日~8月16日)の電子基準点の異常変動に注目する。
「5月5日に東京・千代田区で震度5弱を記録してから約2か月間、全国の電子基準点に大きな動きは見られませんでした。
ところが7月6日以降、日本全国で異常変動が起きている。何週にもわたってこれだけ広範囲かつ大規模な動きが見られるのは、3年前の東日本大震災以来初めてといっていい。地震が起こる場所を一点に絞ることはできないが、過去の例を見ると大地震の場合、異常変動は発生の半年前から確認されます。異常変動が見られる地域では、すでに震度3クラスの揺れが起きているが、これだけ広範囲の異常だと小さな地震では終わらないかもしれない。
異常変動が記録されたあと、まずその周辺で震度2~4の地震が起き、それから震度5~6の大きな地震が起こることが多い。そのため今起きている震度3クラスの地震は無視できない。来年1月までに大きな地震が起こる可能性は極めて高いと考えます」
■村井氏が顧問を務めるJESEA(地震科学探査機構)では毎週水曜日にメルマガ『週刊MEGA地震予測』を月額216円で発行している。詳しくはhttp://www.jesea.co.jp/
※週刊ポスト2014年9月19・26日号