9月3日に発足した第2次安倍改造内閣では、初入閣の3人を含む5人の女性が登用された。これは2001年の小泉内閣発足時と並び過去最高タイとなる。
その顔ぶれは、総務大臣の高市早苗氏(53才)、国家公安・拉致問題・防災担当大臣の山谷えり子氏(63才)、女性活躍・行政改革担当大臣の有村治子氏(43才)、経済産業大臣の小渕優子氏(40才)、法務大臣の松島みどり氏(58才)。
一見すると、子育てしながら仕事もする女性の味方だが、その“身上書”を見れば、必ずしもそうとはいえない人もいる。
まずは高市氏。彼女は、国会議員の一定数を女性に割り当てる『クオータ制』の導入に懐疑的な立場を取っている。
「『クオータ制』は、ヨーロッパを中心に広く取り入れられ、女性議員の増加に一役買った実績のある制度。でも高市さんは“女性に下駄を履かせ、逆差別にあたる”と否定的です。男性と同じ土俵で勝負をして結果が伴って初めて、その能力が正当に評価されるという意見なんです」(政治部記者)
次に山谷氏。「男は仕事、女は家事」といった、性別による役割分業を解消する『ジェンダーフリー』を、概念が曖昧だと批判。さらには、女性を子育てに縛りつけることになるとわかっていながら、安倍首相と同じ「母乳による育児」推進派だ。
そして有村氏は日本マクドナルドに勤め、日米の本社を行き来するなどキャリアウーマンとして活躍した経歴の持ち主。マタニティマークを全国に広めたことでも知られ、女性の支援にも積極的だ。しかしその一方で筋金入りの保守派として名を馳せる。男女共同参画などに反対する『日本会議』の議員懇談会のメンバーに名を連ねており、「女性宮家創設」「夫婦別姓」にも反対している。ちなみにこれも安倍首相と同意見だ。
女性の社会進出を全面に押し出しながら、その足かせを自らつけていくという矛盾を抱えているところまで安倍首相の“右にならえ”なのが、以上の3人だ。対して松島氏と小渕氏は安倍首相と一定の距離を保っている。
まずは赤い服がトレードマークの松島氏の評判から。
「セクハラ騒動を起こした橋本聖子議員(49才)の代役だともっぱらの噂で、力不足は否めません」(前出・記者)
一方の小渕氏は、安倍首相が恋焦がれて、猛アプローチして入閣させたとの話だ。
「子育てを理由に何度か断わったんですが、40才と若くて才能にあふれる彼女を、今回の“顔”にしたかった安倍首相の粘り勝ちとなりました」(前出・記者)
まとめると、安倍首相に、ちゃんと「NO」と言えるのは小渕氏のみ。今のところ、5人の大臣のうち、女の味方と言えるのはまさかの1人きりのようだ。
※女性セブン2014年9月25日号