全国紙の地盤沈下を如実に示すデータがある。『新聞発行社レポート 半期』(日本ABC協会)2005年1~6月から2014年1~6月の過去10年間の全国紙部数の変遷をみると、朝日は79万部減、読売は52万部減となった。毎日も63万部減、産経は55万部減である。
そもそも全国紙というのは単なるホメ言葉ではなく、地方では地元紙やブロック紙に圧倒されているという負の意味でもある。前出の『新聞発行社レポート 半期』(2014年~6月平均)をみると、順位こそ2位でもシェアでは何倍もの差をつけられている県は数多い。
朝日の全国普及率は13.2%に過ぎず、シェア1位の県は1つもない。朝日批判に血道を上げる他の全国紙も威張れたものではない。シェア1位は読売が9都府県、毎日が1県のみ。実に30以上の道府県の人にとって、一番の情報源は地元紙なのだ。
どの全国紙も「地方分権」「地方創生」などと“上から目線”で書いているが、地方には「全国紙の信頼」などもともと存在しないのである。
※週刊ポスト2014年9月19・26日号