年金をどんどん減らす「アベノ改悪」に対し、国民は黙っていてはいけない。政府・厚労省に反対の声をあげると同時に、自衛策を講じることが必要だ。
公的年金が減らされる以上、「プラスアルファ」となる老後資金を作りたい。それは若い世代ほど準備が楽になる。年金博士として知られる社会保険労務士の北村庄吾氏が解説する。
「サラリーマンで会社に厚生年金基金や企業年金制度がある場合、それを活用することで将来受け取る額を増やすことができます。
会社が企業型401k(確定拠出年金)を導入している場合は、それを利用することをぜひ検討してください」(北村氏)
401kとは、毎月一定額を金融機関に払い込み、その運用次第で受給額が変わる仕組みだ。自営業者や勤務先に年金基金制度などがないサラリーマンは「個人型401k」に加入できる。
最大のメリットは、掛け金を「支払う時」、「運用している時」、「受け取る時」の3回にわたって節税効果が得られる点だ。
「掛け金は全額所得控除が受けられ、運用益は非課税となり、受給額には公的年金等控除が適用されます。非常に節税メリットが大きいので、始めるなら早ければ早いほど得になります」(北村氏)
例えば現在45歳のサラリーマンが月2万円の掛け金で60歳まで加入すれば、自分で運用するのに比べて計130万円以上の節税効果が得られる。
65歳から受給開始して80歳まで受け取るとすれば、月におよそ2万2000円受け取れる(いずれも年利2%で運用した場合)。
※週刊ポスト2014年9月19・26日号