スポーツ

元阪急米田哲也氏 オリックス快進撃で森脇監督にエール送る

 プロ野球は各チームとも残り試合が少なくなり、パ・リーグでは2008年以来Aクラス入りから遠ざかっていたオリックスがCS出場圏内で頑張っている。この“快進撃”をOBはどう見ているのか? オリックスの前身となる阪急で活躍した米田哲也氏は、今シーズンのオリックスをこう分析する。

 * * *
 ハッキリいって寄せ集め集団。今年ここまで来られたのも、結局は戦力の補強があったからでしょう。こういうチームは土壇場になると非常に壊れやすい。だから今こそ森脇監督の力量が問われているのです。遠慮があるのか、まだまだ森脇カラーが出ていないことが最大の不安要素です。

 参考にしてほしいのは阪急、近鉄の監督を歴任した西本幸雄さんです。オリックスはこれまで弱くて、負けて当たり前、選手も負けてもなんとも思わない環境だった。この辺りは昔の阪急によく似ています。それを常勝チームへと変えたのが西本監督だった。

 西本監督はまず、それまでの監督のイメージを変えた。監督とはベンチにドーンと座って動かないものでしたが、西本さんは自分から汗をかいて動き、監督の考えを選手に直接伝えようとした。そうやって西本カラーが次第に浸透していったのです。

 森脇監督もオリックスを常勝チームにするために、カラーを強く押し出してほしい。伝統のないチームが勝つためには、楽天の星野仙一監督がそうだったように、監督が勝つための執念を露わにし、チームを掌握していかなければならない。

 首脳陣が選手におもねると、土壇場で勝ちきれなくなります。優勝争いの経験があれば分かるが、残り30試合を切ると、投手陣の場合はそれまでの成績が関係なくなる。何勝していようが、自分の登板中は絶対に点をやらないという強い気持ちを持てるかどうか、ただその一点にかかってくる。

 今年の快進撃の原動力となった西勇輝が、ここ1か月は低迷しているのが象徴的です。西はスピードはないがコントロールがいいピッチャー。ところがその制球力が悪くなっている。過去の投球を自分の中で引きずっているのが不調の原因でしょう。

 こういうピッチャーがいると、大詰めでの優勝争いは勝ち抜けません。その原因を取り除いてやるのが監督・コーチの役目です。選手に嫌われてでも、きちんと進言ができるかどうか。ここでも森脇監督の見極めや対処の仕方が問われることになる。ひとえに森脇監督の覚悟にかかっていると私は思います。

※週刊ポスト2014年9月19・26日号

関連記事

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン