9月16日午後0時28分ごろ、栃木県南部、群馬県南部、埼玉県北部などで震度5弱を観測する強い地震があった。首都圏でも大きな揺れが観測され、日本が地震列島であるということを再認識させられたが、この地震の発生を事前に「的中」させていた人物がいる。東大名誉教授の村井俊治氏だ。
村井氏の専門は地震学ではない。1992年から1996年まで国際写真測量・リモートセンシング学会会長を務めた「測量学の世界的権威」である。村井氏は全国各地のGPSデータを地震予測に活かし、地震の前兆現象である「土地の微小な変動」に着目。この独自の手法で次々と地震予知を的中させて注目されている。
村井氏が各地のGPSデータを測定する電子基準点の動きを調査・分析したところ、今回地震が観測された北関東でも、事前に「異常変動」が観測されていた。現在発売中の週刊ポスト(9月19・26日号)では、村井氏の監修のもとに全国版「異常変動マップ」を掲載しているが、北関東は「警戒ゾーン」となっている。栃木県では、同誌発売前の9月3日にも震度5弱の地震を観測したが、引き続き「警戒を怠ってはならない」と記載されている。
村井氏は同誌の中で、「日本はこれまでも、これからも、世界で最大のリスクを抱える災害列島です。私のデータ・分析を自衛のために少しでも役立てて欲しい」と語っている。
同誌では、北関東を含む「飛騨・甲信越・北関東警戒ゾーン」の他、「首都圏・東海警戒ゾーン」、「南海・東南海警戒ゾーン」、「九州・南西諸島警戒ゾーン」など、全国で大きな異常変動を記録した地域の詳細を解説している。村井氏の地道な的中実績の積み重ねもあり、無報酬で続けるメールマガジン『週刊MEGA地震予測』の会員数は着実に増え続けて、現在の購読者数は2万1000人を数える。