日本中が沸いた錦織圭選手(24才)の全米オープン準優勝。グランドスラムと呼ばれる大会で日本人が初めて決勝に進んだことはテニス界だけでなく、日本のスポーツ界全体においても歴史的なことだと語るのは元プロテニスプレーヤーの杉山愛さん(39才)だ。
「テニスはサッカーと同様、世界的に競技人口の多いスポーツです。世界各国の強豪を相手に勝ち抜いて決勝まで進んだということは、言葉で表せないぐらいすごいことです」(杉山さん)
その歴史的偉業によって、あらためてテニスに関心を抱いた人は少なくないだろう。そもそもテニスは日本人にとって長年憧れだったスポーツ。
1950年代後半には天皇・皇后両陛下が「テニスコートの恋」を実らせ、テニスがブームに。1970年代には『エースをねらえ!』の漫画、アニメが社会現象となり、少女たちはこぞってラケットを握った。
だが、それらのブームに乗ることができなかった人や、あるいは一度始めたもののやめてしまった人も多い。今さら始めるには敷居が高いと思いがちだが、そんなことはない。テニスは年齢問わず始められるスポーツだと杉山さんは力説する。
「私が経営するテニススクールでは、50代から始め、70代、80代になっても続けている人はたくさんいます。自分の年齢に合ったスピードでプレーを楽しめますし、ダブルスならパートナーとコート半分ずつを守りますから、それほど広く走り回ることもありません。何より、仲間と汗を流せるという楽しさがあります」
しかもスポーツ未経験者でも短期間で上達することが可能だと杉山さんは言う。
「テニススクールに3か月間、週1回通うだけでもラリーをできるようになります。初心者はひたすら上達していくのみなので、ボールがラケットに当たって、ネットを越すだけでうれしいと感じられるはずですよ」
では実際、大人のテニス事情はどうなっているのか。その実態を探るべく東京都新宿区にある『高田馬場シチズンプラザテニススクール』に向かうと…。50代の女性たち3人がラケットを片手にボールを追いかけていた!
彼女たちはスクールで知り合ったテニス仲間で、全員が40代後半から本格的にテニスを始めたという。
「この年になって新しいことを始めるのが本当に楽しいです。上達していく過程の面白さや達成感はほかでは味わえない」と主婦の鶴谷さん(56才)が言うと隣で、同じく主婦の割石さん(53才)が大きくうなずく。
「6年前から始めました。最初はラケットにボールが当たらなくて。でもコーチの指導を聞いて、その通りにやっていたら当たるようになって、今では仲間同士で試合ができるまでになりました」(割石さん)
もうひとりの主婦、黒永さん(53才)とは年代が近く、同じ趣味を持つ仲間としてすぐに意気投合した。
「週2~3回ぐらいスクールで練習します。そのあと、みんなでランチして、また区のコートを借りて2時間ほどテニスをします。区によってコート代は違いますが、だいたい2時間1000~1500円なので、人数で割ると1人300~500円で充分楽しめます。とてもリーズナブルです」(黒永さん)
※女性セブン2014年10月2日号